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デュラララ(臨也・爆走女主
※シズちゃんの兄は『麗司』で固定されてます






――貴方はサンタさんに何を頼みましたか?素敵なクリスマスを貴方に。――

そんなキャッチコピーが流れる季節感丸出しのテレビCM。冬になるとお決まりのBGMを鳴らし、世間もテレビも、当たり前だが池袋の街も冬の一大イベントに向け、各企業が凌ぎを削るそんな日常。サンタを信じる程メルヘンでもなく、また願いなんて微塵もないが、素敵なクリスマスについてはかなり思う所があるので、今日も今日とて勝手知ったる我が家となった折原邸のソファにて体育座りをする名前を見遣った。

「ねぇ、名前はクリスマスどうするの?」
「クリスマス?あ、あのね、また臨也とクリスマス過ごした」
「俺?俺は何時も頑張ってる優秀な部下を労ろうかなぁと思っててさ」

ぱぁ!と華が咲く様に弾けそうな笑顔に先手を打つ。うん、別に約束なんてしてないけどね。案の定、無言で事務処理をこなしていた波江は眉を潜め、何時アンタなんかと約束したのよ?と言いたげな不愉快で苛立たしげ視線を寄越したが、軽く無視。こうもほぼ毎年、名前とクリスマス過ごせる訳ないじゃないか。つかなんで名前は俺を選ぶのさ。職場の仲間やセルティ辺りを誘えば喜んでパーティするのに(たまには親羅も言い表わせない心労を味わえ)特に予定もないので押し切られる様に名前とクリスマス(かなり楽しい)を過ごしていたが、そろそろ色々と辛い。静雄に知られれば面倒臭いが、もう早くバレろ。何が辛いって名前が選ぶプレゼントだよ。誕生日もそうなんだが、凄く変。顕らかに悪意に満ちてる。

『臨也っ、私からの誕生日プレゼントはコレだよ!』

静雄が見たら即赤面確実の笑顔で差し出されたA5サイズの綺麗に包装されたぺらい今年の俺の誕生日プレゼント。貰う立場なのにぺらいって言ったら失礼なのは承知だが、中身見たら仕方がない。

『えへへ、今年はコレにしたんだ』

物凄い誉めてと云わんばかりの名前に促され丁寧に解いた包装の下から出てきたのはセールスお断わりのステッカー。殴っていい?俺なんて欲しがっていたでかい熊の人形あげたのにこの仕打ちは何さ本当。後日、波江に発見され事情を説明した時は『惜しいわね』とステッカーを堂々と俺のデスクに俺の目の前で張られた(名前も居たので剥がせない物は現在進行形で俺のデスクに輝いている)あの子は俺を何だと思っているのか。ちなみに去年のクリスマスは工事中につき迂回をお願いします、の黄色い工事のオジサンが笑顔で頭を下げるあのステッカーを貰った。だからなんでステッカー?親羅やドタチン辺りなら神妙な顔をして頷きそう。そんな感じなので、名前とはクリスマスを過ごしたくない。これ以上、使う用途のないステッカーが増えるのは勘弁願いたい。

「……そっ、か……残念だなぁ」

しゅん、と幻覚の犬耳が下がるのが見えた。――あぁ、良心がいた…………む訳ない。

「ホントに悪いね、名前」
「ううん、波江さんを労るなら仕方がないよ」

ちらりと波江の非難の眼差しが刺さるが、特に口に出したりはしない。

「臨也の我儘に毎日苦労してるからね。こんな時くらい労らなくちゃね!」

君には俺を労って欲しいよ。

「でもそうしたら、今年は誰と過ごすつもりなの?まさかシズちゃん、とか?」
「えっ!そ、そそそそんなまさかぁ!!静雄君が私とクリスマスなんてそんな!死んじゃうよ!」

静雄がね(脳の血管が幾つか切れそう)でも頬や耳朶まで真っ赤に染まらせて否定する名前に、自然と笑みが浮かぶ。あー、一週間くらい密室に静雄とセットで閉じ込めてぇ(役:さっさとくっつけ)

「こ、今年は麗司さんと過ごそうかなぁって。あのねっ、幽君が夜ちょっと遅くなるけど時間が取れたから平和島家兄弟だけだけど、良かったらパーティしないかって誘われてたの。だから、臨也が駄目なら行こうかなって」

順番が逆ですよ、名前さん。というか、平和島家兄弟でってそれ、静雄も居るって事じゃないのか?何気なくクリスマス静雄と過ごすんじゃん。何で気付かない。平和島家兄弟は三人だよー。麗司さんと幽君だけじゃないよー。

「ふぅん、そっかぁ。楽しんできなよ」
「うんッ!」







………よし、当日は覗き決定だな。





※臨也いいね、臨也

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あきゅろす。
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