小説[*R18*]
5
怒りは一瞬で影をひそめ、代わりに不安や心配といった感情が、エドの心をじわじわと犯していく。
「あ…ウソ、だろ?そんな、大佐が不治の病とか…」
「本当だと、今言ったばかりだろう?」
戸惑うエドに、ロイは真面目な顔つきを向ける。
とたん、きゅううううっと締め付けられるエドの胸。
え?
本当に?
え?
何。
大佐、死んじゃうの?
そんな。
そんな、そんなの。
そんなのイヤだ。
「びょ…う、病気の…名前は…なんだよ…」
「ああ、それはだね」
無意識にうるんだエドの瞳をスッと覗き込んで、ロイは言う。
「恋―――恋の病、だよ」
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