小説[*R18*]
3
「もしこれをアルやウィンリィに見られてたら………」
ああ。
想像するのも恐ろしい。
幼なじみの絆はもちろん、運命を共にすると固く誓った兄弟の絆さえ、この写真1枚で粉々に粉砕されてしまっただろう。
多少のイタズラには目をつぶってきたが――今回ばかりは度が過ぎる。
(とりあえず会ったら右でフルボッコにしてやる…!)
幸いなことに、腕は昨日整備してもらったばかりで、すこぶる調子もいい。
列車がセントラル駅に到着するやいなや、エドは町の中心にそびえたつ軍の建物を目指して、脇目もくれず全力疾走した。
ほどなくして目的地にたどり着いたエドは、必要な手続きを一切ムシして『大佐執務室』へ向かった。
そして厳重にロックがかかっていたドアをお得意の錬金術でぶち破ると、
「こォんのアホんだらァァァァァ!!」
椅子に腰かけ、ゆったりアフタヌーン・ティーを楽しんでいたロイに向かって、右ストレートを仕掛けた。
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