小説[*R18*]
2
ロイは不治の病になど罹ってはいない。
おそらく長すぎる正月休みに飽きたのだろう、ちょっとした茶目っ気でウソをついたに違いない。
この手の悪戯をもう何度もやられているエドは、当然今回の手紙もイタズラだと見抜いていたが…。
イタズラだとわかっているにも関わらず、こうして列車に飛び乗った理由は、手紙に同封されていた一枚の写真にある。
その写真はついこの前、大総統も顔を揃えていた軍の忘年会が行われた夜のもので。
(っとに…一体いつ撮りやがったんだ…ッ!)
エドの手の平でぐしゃァっと丸められたその写真には、飲みつぶれてグデんグデんになったエドと、それを介抱していたロイが、お互い真っ裸でキスをしている姿が映っていた。
自分に覆いかぶさっている男が、ひそかにピースサインをしていることからも、この写真を誰が撮影したかは明白で。
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