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小説[*R18*]
1
アナタの虜



「――んっ…?」

目を覚ましたエドは、後頭部に微かに痛みを感じながらあたりを見回した。

そこはどこかの倉庫らしい。おそらくは軍のだろうが、所狭しと積み上げられた木製の箱いっぱいに銃の弾や焼夷弾などがすし詰めになって入っている。

「何だって俺、こんなところにいるんだ…?」

ふらふらとよろめく身体を起こしてエドは考える。
今日、確か自分は年に一度の査定でセントラルに出掛けた。面倒な審査をすべて終わらせ、さァ帰ろうと暮れ一番の列車に飛び乗ったところまでは覚えている。

「…なのになんで、こんなところに…?」

しかしそんなことはどうでもいい。こんなわけのわからない場所からは早く離れた方がいいと、エドが立ち上がりかけた――その時だった。

「やァ鋼の。ようやくお目ざめのようだね」
「た、大佐…?!」

すぐ隣の壁。
そこからギいいい、と開かれたドアの向こうから、大佐――ロイ・マスタングが姿を現したのである。


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