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Accesses The Reality Cruelty

「……! 静かに……!」
 コウタが突然止まり、そう言った
道は途中から、角もある人工的な石でできた洞窟に変わっていた
「……いたぞ」
 コウタは大部屋への入り口に隠れて、奥を指さす
そこには、他の道から目、口、手、足をロープで縛られたクゥが数人の黒装束に運ばれている光景が見える
「……いくぞ」
 と、コウタが走り出した瞬間
「待ってたよ」
 数人の黒装束が上から落ちてきて、そのうちの一人がコウタの首に針を突き刺した
「っ!? 麻痺……針、か!?」
 動きは素早く、突然すぎて動けていなかったルー、セイスにも走り込んで同じように針を突き刺した
私は、リビングデッドのリーダーから貰った《ネクロマンシー》という力に感情が喰われていたので(感情がないわけじゃない)、驚きは少なくすぐに反応できたおかげで免れた
「……っ!」
しかし捕らわれた三人を人質にとられて、動けない
「やっぱり来たか」
 と、声を発したのは
「……」
 セイスを追いつめていた、女の黒装束だった
名前は、フェル
「私を逃がすべきじゃなかったね」
 不覚だった。マーキングの魔法をかけておいたのに気づかないなんて
「あー。忍者には、マーキングとかそういうのは効かないからさ。どっちにしても気づけないよ」
 思考を読んだように、そう言う
「それにしても、助かったよ。まさか仲間を連れてきてくれるなんて」
「……」
「あのリョウスケってやつはいないみたいだけど……まぁいい」
 と、クゥを運んでいた数人の黒装束がこちらに歩いてくる
「まさか、こんな経験値の塊みたいなやつを守る輩がいるなんてね」
「……」
 ……今だ!
私は魔力を目に込めて、その目にフェルという女を映す
 するとそいつは、突如黒い炎に包まれ……
「君の技は、研究済みだよ」
「……っ!」
 確かに、炎には包まれた
だけど、それはあまり効いてないように見える
……リョウスケと同じ、闇属性に耐性のある装備みたいだ
「じゃ」
と、フェルはクナイをクゥの首へかける
「こいつが殺されたくなかったら、おとなしくお前も麻痺してもらおうか」
「……」
 ……従うしか、ない
他の方法なんて……私一人じゃ……
「わかった」
 そう呟いて、黒装束共が近づいてくるのを見ていると
声が、聞こえた
 聞き慣れた、声

「タイムロック」


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あきゅろす。
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