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Accesses The Reality Cruelty
マンホール
「セイスさん。あなたなら、そのギルドの本拠地がわかるはずだ。そこに案内をしてほしい」
「……潰すとは、簡単に言うものです」
 セイスは頭を抱えながら、言う
「あの総勢五十万人以上を誇るアーミーにまったく及ばずとは言え、八千人は人数がいる大ギルドですよ? そう簡単に潰せるわけが……」
「大将を討ち取れば良い話だ。今は、仲間のために手段を選ぶときじゃない。それに、他に良い案があるとも思えない」
「ですが……」
「霊介なら、クゥが行きそうな場所を把握できるはずだ。以外と息も合ってたしな。だったら俺たちはこの仕事をこなしたほうが効率的だ」
「相変わらず、無茶言うね……あの後聞いてたんだけど、コウタさんたちはたった二人で魔神を引きつけてたって」
ルーがそう言う
「あれはレミリナさんがいたからできたことだ。それに、結局は負けた。だが、この作戦は無茶であっても無理ではないと俺は考える」
「……まぁ、いいでしょう」
 セイスはため息をつき、言う
「本拠地は、この街の地下にあります」
「……地下?」
「ついてきてください。案内をします」


「ふむ」
 む……慣れないことをするもんじゃないな
「でも、ま」
 これでよし
闇雲に探すより、この方が百倍良い
「なにしてる、早く来い」
と、呼ばれた呼ばれた
「ほいよ」
「バルハルトの子は、現在捕獲中とのことだ。俺たちは先に本部へと帰り、拷問の準備だ」
 酷いことすんのね……
ま、させる気はないが
「わかった。じゃあ行こう」


「ここです。一番近いギルドへの入り口は」
 私たちが案内されたのは、細い路地の地面に埋め込まれていた丸い円の前だった
「これは……マンホール? どうしてこの世界にこんなものが……」
「おや、そういう名称なんですか? 覚えておきましょう」
「えっと……この作り物をどうすればいいの」
 ルーは興味深そうにそれを眺めながら、言っていた
「取っ手の部分を、力強く引いてください」
 ルーは言われた通りに取っ手を掴んで、力強く引いた
するとガコンッという音を立てて蓋みたいなものが円から外れた
 よく見ると、穴になっていて奥は暗い。落ちても平気かな
「以外と本格的な作りだな」
「そうなんですか? これって実際なんのためにあるものなんですかね」
「下水道だな」
 下水道?
「汚い水を流す川の場所に繋がれる穴、とでも言ったほうがいいか」
「とんでもないものを入り口にしていますね」
「マンホールに関してはよく知らないが、消防署の人たちも利用してるからそこまで汚くないのかもな……」
「消防署?」
「気にしなくていい。こっちの話だ。それより、早く入ろう」
「わかりました」
 そうして私たちはその暗い穴の中へと降りていった

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あきゅろす。
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