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Accesses The Reality Cruelty
守るための力

「オォォォ!」
 巨鳥が両翼を広げるとその周りに無数の大きな闇の球が生み出されていき、俺たちへ向けて発射される
「拡散」
俺は剣に纏う巨大な炎を一瞬だけ拡散状にし、その全てを破壊
 続いてレミリナ・アヴァンストリームがアビスブレイカーという魔法を放つ
しかしそれは突如出現したブラックホールに飲み込まれた
 ……なるほど
俺の衝撃波は当たった。だがこいつの魔法は当たらない。つまり、こいつは魔法が効かないわけか
 厄介だな
「……ォォォォオオオオオ」
と、なぜかいきなり巨鳥は丸くなった
 そしてその周りに、三次元の巨大な魔法陣が描かれていく
「……なんだ?」
 ……嫌な予感がする
「二人とも!」
 と、後ろから蒼都の妹……葵さんがこちらに寄ってくる
「なにしてる。早く逃げろ」
「あ……まずいよ二人とも! この魔法は、かなり危険なの! 逃げないと……」
「……どういう」
と、そこで巨鳥が飛び上がった
「伏せて!」
 葵さんのその叫びを聞いた瞬間、巨鳥が深い漆黒に輝き、膨張するようにそれは莫大な黒い爆発をもたらした


 世界が、揺れた
そう感じるほどに大きく地面さえも揺れて、目の前が黒だけに満たされた
 視界は深い黒に染まり、なにもわからなくなった

「……っ」
 俺は自分が倒れていることに気づいて、急いで顔を上げた
……ここは、どこだ
 空は不気味な黒い雲に覆われていて、周りには荒れ地しかない
遠くには半壊した城なども見えるが、よくわからない
「どこだよ……ここ」
俺はあちこち怪我を負っている体を無理矢理起こし、立ち上がる
 ……そして周りを見て、理解する
「……ここが、さっきまでの場所かよ」
 倒れているノアがいる。うめき声を上げて、痛みに耐えている巳依がいる。レートが、レミリナが、光蛇が、葵が……
「あれ? まだ立ち上がれるんだ」
 上空から、声
知っている声だ。見上げると、あの巨鳥とリノがいた
「……またか」
 また、俺は守れなかったのか?
カカシのときみたいに、俺はみんなを危険に晒してしまっている
 もう油断はしていない
なのに、この様だ
「……足りない」
 力が、足りないんだ
もっと強くならないと。もっと、力がないと……もっと……もっと……
「オオォォァアアアアアアアアアアアア!!」
 巨鳥が雄叫びをあげ、口の中にブラックホールを作り出した
もっと力が欲しい。みんなを守りたいから
 俺は大切な幼なじみを失いたくない。俺は大切な親友を失いたくない。俺は大切な約束を守りたい。俺は似た者同士の友達を失いたくない
だから力が欲しい。全てを守れる力が
 どんな力でもいい。守るための、力が欲しい
「もう、なにも失いたくないから」
 だから、俺が全部守るしかないんだ
この手で、俺が
「オォァアアアアアアアアア!!」
 巨鳥は、そのブラックホールを俺に向けて発射した
「……」
 俺は近づいてきたそれに向けて手を伸ばし……


 それを取り込んだ




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