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Accesses The Reality Cruelty
地面の城壁

「頑張って」「おらおら、働けー」
適当な応援の元、白衣の魔王は迫る兵士どもへ手を向ける
 そして言う
「トルネード!」
 竜巻が発生した
竜巻は少しずつ巨大化していき、次第に兵士ども全員を飲み込んだ
……え、終わり? 早くね?
「……さすが」
「えっへん」
 ノアが褒めて、なんかこいつが威張る
「それはそうと……」
無視しよう。なんかムカついたから
「これからどーすんの」
 魔王の保護、あと《死神(ヘル)》の討伐以外はなにも言われてないし、どーしよ
「魔王」
 ノアが、白衣魔王を呼ぶ
「私にはレミリナ・アヴァンストリームって名前がある。ちゃんと覚えて」
 なんか竜巻みたいな名字だな
「わかった。レミリナ」
「なに?」
「回復、して貰っても、いい?」
「……変態も?」
 誰が変態だニセ魔王
「変態も」
「同意すんなよ……」
「リョウスケ、私に、抱きついてきた。忘れたとは、言わせない」
 ……確かに
「しかたないわね。それじゃ、いくよ?」
「わかった」
「あいよ」
「ツインデルミース」
 と、俺たちは黄緑色の光に包まれて、傷が癒えてゆく
HPは、3/4くらいまで回復していた
「ツインミース」
 と、さらに連続で回復魔法を唱えられて傷が完全に癒えた
「あと、ノアちゃ……ノアには、これ」
 さっき俺がちゃん付けを止められていたことを思い出したのだろう。言い直した
「マジックブースト」
 レミリナは手の平をノアに突きつけて、そう唱えた
すると青色の粒子がノアを包み、やがて消えた
「MPの自動回復速度を、10倍にしたから」
 それってすごいのか? あ、もしかして俺に唱えたら、疲れがとれる速度10倍か? それは凄いな
「それはそうと……」
再び俺はきりだす
「これからどーすんの」
 ……同じこと言ってないか? 俺
「エノリーク城に、行こう。あそこには、魔神が……」
 ……魔神?
「とりあえず、そこにいくか」
 他に向かうとこないし


「うぐぅぁあ!!」
 バキボキボキッ と、両腕が嫌な音を立てながらも、地面に叩きつけられた
たぶん、何本も骨が折れた。たとえ回復魔法を使っても、両腕が何日かは使えないだろう
「くぅ!」
さらに地面とぶつかって、息ができなくなる
 地面は割れ、破裂した
「まだ、あと一撃は耐えられるよな?」
「こ……の……」
どうする?
 どうすればいい?
この状況を打開するには、どうすれ……
「あ……」
……見つけた
 ボクは背中に感じる、『城壁』の感触を確かめながら、そう思った
地面に、城壁
 間違いない
それに、お兄なら……この城壁を壊せるはず
「あはは♪ いいよ? 何発でも打ってきなよ。メガトンでも、ギガトンでも」
「……壊れたか?」
「あはは」
「……ギガトン」
 さぁ、来い
「ブレイク」
 ボクはその攻撃をギリギリで避けてみせ、その拳を地面の城壁に当てさせた
「っ!?」
「やった……」
 その城壁は、ヒビが入り……やがて崩れる
 ボクとお兄も、それに飲み込まれた
「これは……」
「くふふ……やっと見つけたよ。この地に封じられた、魔神を」
 ボクは、暗闇に支配された空間の奥底で閉じこめられていた巨獣を見て、そう言った
 さぁ、あとは解放の呪文を唱えて、こいつを解き放つだけだ


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