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Accesses The Reality Cruelty
モンスターウィザード
そうして初めてのバトルが終わりを告げ(光蛇の攻撃であのモンスター達一発でやられてた)、俺と光蛇は少女を連れて村に戻った
とりあえず、これまで休んでいた宿へ
「しかし、なぁ……」
俺は帰ってくるなり文句を言う
「なんでアイテムとかG(ゴールド)って自動で入らずに拾わないといけねーの? 経験値は自動ではいるのにさ……ド○クエみたいな王道じゃなくても、ドロップをいちいち拾うなんて全然ないぞ? やっぱこれクソゲーだろ」
「まあ、いいだろ? 拾えばしまわなくても勝手にウィンドウの持ち物覧に移動して、いちいち持たなくてもいいんだから」
「そりゃ当たり前の仕様だ」
「第一、お前は経験値は勝手に入るとか言ってたけど……お前のLvは気分だろ? 経験値とか関係ないんじゃないのか?」
「それこそ『気分』だよ。経験値たくさん入れば、よしやるぞって気になるじゃん」
「まあそうだけど……」
「そっ、その……」
あ、そういやこの女の子の存在を忘れてたな
「ん?」
「改めて、ありがとうございました」
俺は返事をしない
代わりに光蛇が言った
「どういたしまして」
ま、俺はほとんどなにもしてないしな
「それじゃ俺はそこらで買い物でもしてくるよ。事情を聞く前に、腹後しらえをしておかないとな」
「まあ、そーだな。初めての『実戦』だったし、休みは必要だな」
「そういうことだ」
そう言って光蛇は立ち上がる
「君も、ここでゆっくりしていてくれ」
光蛇は去り際に少女に言った
「……」
しかし返事はない
「護衛頼んだぞ、霊介」
「わかってるよ」
俺がそう言ったのを確認すると、あいつは部屋から出ていった
と、同時に俺はベットに身を投げ出した
そうして数秒が経った頃、少女が口を開いた
「あなたたちは、私を『助けて』くれたのですか?」
「んー……」
俺は話を半分聞いてなかったので、いま少女が言ったことを思い出してから、言う
「違うね。俺は助けてない。助けたのはあいつだ」
「ならあなたは、あの人がいないときに私が襲われていたら、どうしていましたか?」
「……」
どうして、いただろうか。
考えるまでもない。きっと助けていた
「ほら、あなただって、私を助けたかったんですよ。ありがとうございます」
「まあ……そうだな。そうかも、な」
曖昧な返事しかできないのは、半分話を聞いていないのと、そんな空想に礼を言われてもしっくりこないからだ
「ところでさ。職業はなに?」
まったく関連性のない質問を、俺はした
理由はふたつだ
ひとつは、好奇心
ひとつは、俺の職業だけ『バカ』なのを気にしているから
と言ったところだ
「わ……私は……」
少女は少し迷ってから、やがて言った
「モンスターウィザードです」
「へー」
なんだ、ふつーの職業っぽいな。俺みたいな職業の奴はいないのか
「お……驚かないんですか?」
「ん? だってどんな職業か知らんし」
「え……珍しいですね」
「そっすね」
だってこの世界来たばっただし
「……私は、モンスターと人間のハーフなんです」
「……へー」
「驚かないんですか……?」
「いや、ケットシーだと思ってたらハズレだったから落胆しちゃって」
ケットシーというのは、動物か人間かわかんない中途半端な種族のことを言う
「まあそんなことどうでもいいじゃん。モンスターだろうが人間だろうが。危害が無ければ敵じゃない」
とまあそう言った瞬間に、宿の入り口から変な怒声が聞こえてきた

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