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Accesses The Reality Cruelty
悪意

「許してくれ……許してくれ……許してくれ……」
 ガルバが倒れ伏し、泣きながらそんなことを言っている
体中に、ナイフを刺してやった
刺して刺して刺して、回復して刺して……それを繰り返したら、こんなになっちゃった
「以外と脆かったなぁ」
 さて、これで城の守りは一部薄くなったし、ノアちゃんの手助けもできた
「最後の大仕事かな」
 この地に封印されている魔神を、解放しないと


「……指名、手配?」
 壁に雑に貼られていた紙を見て、呟く
「……リノ? 少し、余計」
 でも、いい
やることは変わらないから
「ここらに、いるはず」
南西地区に、いる。間違いなく


「で、捜索と言われたものの……どこに行けばいいんだか」
みんなどっか行っちゃったし、俺もとりあえず気合い入れて走るか
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
とりあえず目の前の路地に入って、次の路地入って、抜けて……
「って、ぅおあ!?」
「へ?」
 いきなり目の前に出てきた件について
俺は勢いよくそいつに衝突し、いっしょに倒れ込んだ
「危な……って、いた」
「ごめ……え? 昨日の変態?」
変態言うな
「あー、まぁ、いーや。ちょうどいい、保護かんりょー」
「え? ……もしかして君も、私を殺したりしようと……!」
「え? はあ?」
「も、問答無用! バースヴィズナ!」
またかよ!
「よっと」
だけど慣れというものは恐ろしいもので……
 俺は後ろにバックステップしながらDEをホルスターから抜き取り、特大の闇の球を打ち抜く
そしてお約束の爆発が起こるが、バックしてた俺には届かない
「えーっと……生きてる?」
とりあえず、煙で隠れてて見えないけど、自滅したと思われる白衣少女に呼びかける
「あたり、まえ……でしょ」
 自滅でボロボロ……
「見つけた」
と、聞いたこともない綺麗な声が後ろから聞こえた
「ん」
振り返るが、誰もいない
「こっち」
また後ろか
 もう一度前に向き直ると……
「っ! おい」
えっと……名前は……
「レミリナ……? を離せ」
「……疑問系?」
 急に現れたその綺麗な声の少女は、レミリナの頭を掴み、持っていた大鎌を首にかけていた
 綺麗な白銀の長髪を持ち、耳みたいに髪を二つ結びにしていた。瞳は青く済んでいて、服装は赤いローブ。背は低い。手には大きな死神の鎌
「……《死神(ヘル)》、かな」
 名前は、ノア
「……大当たり」
 こいつが……俺の倒すべき敵?
なんか……悪意とかあんまり感じないんだが
「魔王、貰ってく」
「って、それはだめだ」
 さて、新スキルその1を試すときが来たようだ
「タイムロック」『認証しました。スキルを発動します』
 時間が、止まる
世界全ての時間が止まる中で、俺だけが動ける
俺は即座にレミリナの元へ走りより、ノアちゃんの手を払……
 おうとしたところで時間が元に戻り、体に疲労が襲ってくる
「っ!?」
ノアちゃんは驚き、跳びすさった
 疲労は、まずまずか
ずっと無表情だったから、こーゆー顔は新鮮だ
レミリナが解放され、再び地面に倒れた。意識はもうないみたいだ
「……いま……なにを、したの」
「んまぁ親切に説明してやると、時間を1秒止めた」
「時間……?」
「そそ」
「……ありえない」
 1秒って結構長いんだよね
「……これが、リノの、言ってたこと?」
「とりあえず、俺は逃げますわ」
「させない」
そうノアちゃんが言うと同時に、俺の体が黒い炎に包まれた

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