[携帯モード] [URL送信]

Accesses The Reality Cruelty
旅立ち
俺のステータスに表示されていた職業……
それは、
「職業、『バカ』。Lvは『気分』」
ってなんだそりゃああああああああああああ
「なにこれ!? ふざけすぎだろ!? なんだよ職業バカって! それ性格だろうが! しかもなにLv気分って! 適当すぎんだよあんのクソジジィが!」
あのクソ嘘付きのおっさんに俺は激怒していた
対して光蛇はと言えば、大爆笑して床をころげ回っていた
それを蹴り転がしながら、俺はさらにウィンドウを見た
「HP『諦めるまで』。MP『疲労がMP』。STR等には『バカに数字はわからない』って書いてあるんだが……」
「すげぇ、前代未聞な能力値だ!」
そう言いながら光蛇は笑う
そして俺はそれを蹴る
「技は? どんなのがある?」
しばらくして立ち上がり、光蛇が落ち着きを取り戻して聞いた
「ん……スキルがふたつあるな」
「なんだ?」
「……『バカにしかできないこと』と『自分で考えてろバーカ』」
「名前は適当だが、二つ目は貴重だぞ。自分でスキルを作れるみたいだからな」
「確かに、な」
職業バカも捨てたもんじゃない
「お、しかもこれプログラムから直接作成できるから、チートっぽいのも作れるぞ」
HPやMPを格段に消費するみたいだが……
「この際なんかひとつ作っとくか」

次の日。
俺はとりあえず表面上はシーフという面目として(聞かれたときにめんどくさいから)それっぽい防具を買いにかかった
バカという職業は、鎧全般が装備できないみたいだ
なので適当な黒い服を選び(理由は、夜に目立たなくてシーフを偽るときに都合がいいから)村の出口へ向かった
目的地は無いが、適当にぶらぶらしてればいいだろう
「これから人生初めての狩り旅だと言うのに、のんきだなぁ」
ちなみに俺の武器は……秘密だ
ただ断言すると、ファンタジー系ゲームにはぜっっっっったいに使ったら反則な武器だ。あとついでに短剣も装備してる
光蛇は王道なはがねの剣に、鉄の軽鎧という姿
「ま、そう言うなって。まだ戦ったことがないから俺たちは戦いの危険とかがよくわからないんだよ」
「へいへい、勇者様」
「勇者という職業は存在するらしいぞ」
「マジか」
「マジ」
「まあどうでもいいけど」
と雑談をしながら出口の目の前を通りかかると、モンスターに襲われている人間が遠くに見えてきた
「ん? あれって?」
「敵、だな」
「ふーん」
「助けるぞ」
「へいへい」
そうして俺たちは走り出した

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!