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Accesses The Reality Cruelty
二刀流
「おさきにどーぞ」
「遠慮なんかいらないな。霊介から来いよ」
「……」
 しかたない、行くか
俺は小刀片手に、走り出す
 ちなみに師匠の装備はただの日本刀だ。あれも確か倉庫に入ってたやつ
まぁ、公平にするためにわざわざ武器も合わせてきたんだな
「それじゃ、まずは《鏡映し(ミラー)》からやろうかな」
と、師匠が言うと同時に俺は小刀を右上へ向けて斜めに振りあげる
が、それは師匠の斜めに払う攻撃で弾かれた
「っと!」
さらに、突きを繰り出してみる
 すると師匠も突きを繰り出してきて、剣先が体に当たる直前で身を引く
「どうした? 霊介。この程度か?」
 師匠は、攻撃してこない
だが、その理由はわかっている
 試すように、次は真横に切り払ってみる
すると師匠も、『まったく同じ動き』をしてきて、剣刃同士が衝突して火花を上げた
「《鏡映し(ミラー)》ってそーゆー意味かよ」
 相手と『まったく同じ動き』をすることが、こいつの言う《鏡映し(ミラー)》だ。こいつのことだから1ミリのズレもないんだろう
ありえない技術だな。っていうかギネスレベルとか簡単に越えてるだろ
 元々、こういうことの天才だったけど……昔はここまで凄くはなかったな
 たぶん、ステータス補正のDEXがかなり影響してるんだろうな
「あはは……でも、これでも俺は、霊介のあの攻撃の避け方は真似できないよ」
 ……? なにそれ
…………あ、もしかしてあれか? ルーちゃんとのデュエルでも使った俺の得意技か
「ご丁寧に弱点をどうも!」
と、俺は短剣を全力で突き出す
 もちろん師匠も同じ動きを……
しかしそこで、俺は左手で自分の体を右側に叩く。俺の体はうまく右側に逸れ、師匠の刀の剣先を空中へ流す
「っ……やっぱり凄いな、それは。真似できない」
 師匠には、俺の小刀が刺さっていた
確か……昔、師匠が言ってたけど……この無理矢理体を逸らさせる技術、かなり難しいらしい
俺はこれ、比較的簡単にできるんだけど……運がよかったのかね
「本気は出さないのか」
「出してほしいか?」
 お断りだ
と、言いたいとこなんだけど……
こちとら、早めに終わらせたいんだ
「……本気で」
「え、いいのか?」
「とりあえず」
 さて、とりあえずもう発砲の準備しとくか
「……じゃあ」
と、お互い距離をとる
「本気で」
そう言うと師匠は、どこからか日本刀をもう一本取り出した
「二刀流!?」
昔は使わなかったぞ。しかも同じ長さの刀を二刀かよ
「しゃべってる暇なんかないよ」
と、気づけばもう目の前で師匠が刀を構えていた
「ぅぉ!?」
そして閃光のごとくその二刀を繰り出した
って、気づくともう目の前にもいない
「はい終わりっと」
後ろにいた
「……はぇ?」
イマイチ状況がまだ飲み込めない
「もうHP、半分以下にしたよ」
 嘘だろ、と思いつつ確認すると
「……」
残り3/10くらいだった
 え、マジで? いまの一撃で? いや一撃かどうかはよくわからんけど
つーか今ごろ体が痛くなってきた
 あ、そーいやまったく関係ないこと言うようだけど、ここ体育館
「昔より速くないか……」
これはAGIのステータス補正が大きく影響してんのかな
「あはは……でも昔より遅かったらそれまでだよ」

 とまぁそーゆーわけで
このデュエルは、こんな風にあっけなく終わった




P,S.後に確認したところ、師匠のLvは50だった

でもレートの方が実はLvが高いらしい。なんでそれで団長勤まってんのかな
 と思ってるとあの中二病が「蒼都のデータスキルは神にも匹敵する」とか言った
よく知らないが、どーでもいーや

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あきゅろす。
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