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Accesses The Reality Cruelty
二つ名
「……そう言えば、やけに霊介が静かだな」
「こっちも、葵とレートが静か過ぎるような……」
「「寝てる……」」
 …………あ!
「あ、いや、寝てないよ。マジで」
ふぅ危なかった。ギリギリセーフ
「わ、私も寝てないよお兄ちゃん」
「俺は目を瞑って脳を休めてただけだ」
「レート、それ、寝てるって意味なんだけど……はは」
 よかったー。寝てたの俺だけじゃないのか
「話は戻すけど、どうかな? 入団してくれると助かるんだけど……」
「……いや、その話は断らせてもらおう」
「理由を聞いても、いいかな」
「……笑わないか?」
ん、あぁ、もしかして光蛇、あれを言うつもりか?
「笑わないよ」
「……俺は、勇者になると決めた。だから、ギルドのようなものに入るのではなく、俺たちで最善を尽くす、ということをしたいんだ」
「あなたとは、良い友達になれそうな気がする」
「黙ってろゴミ」
「ゴホァ!」
「効率が悪いのはわかってる。だけど、俺はそうすると決めたんだ」
 この世界に来てから一日目、こいつは勇者になるとか言ってたからなぁ
「気に入ったー! この人面白いよお兄ちゃん!」
「……はは。それ、いいなぁ。良い目的だ」
 おぉ、意外と好評価
「じゃあ、こういうのはどうかな。お互いに情報を交換し、危険になれば手を貸し合う。そういう関係は?」
「それは願ってもないことだ。是非頼みたい」
「交渉成立、かな」
「フッ、では俺が、貴様らに二つ名を与えてやろう」
「ダメだこのゴミ。処理しても無駄みたいだ」
「いいんじゃないか? 面白そうだし」
レートの好評価が得られてる……だと!?
「そー言えば、お兄ちゃんとか私とかリビングデッドの人たちとかに変な呼び名を付けて広めたのって、ゆーきくんだったよねー」
「変な呼び名などではなぁい《最終決戦(ラグナロク)》よ」
 変すぎるだろ
「ちなみに、リビングデッドの幹部どもの二つ名、《死を誘う者(インヴィテッド・デス)》や《死神(ヘル)》などを付けたのも、俺だぁ!」
 災難な奴らだ
「ちなみに蒼都は《最強の剣士(エスグリミドー)》、巳依は《絶対王政(インペリアル・アブソリュート)》、そして俺は《無限(インフィニティ)》だ!」
「俺は?」
「レートは《強神の拳(ストロンガーフィスト)》だ」
「おぉ〜」
 クゥが興味津々だ
 俺たち、乗り気じゃなかったのに、これだと断りにくいじゃないか
「……俺たちは、どうなるんだ?」
 光蛇もしぶしぶと言った感じに聞いた
「ならば命名してやろう。光蛇とやらは、《炎帝(フレイムエンペラー)》。ルーとやらは《蒼空の星々(アルトメラクト)》。霊介とやらは……《救世主(ルヴェルド)》。そしてクゥちゃんは……」
「わくわく」
「《最前線の風鈴(メノズウィンド)》」


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