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Accesses The Reality Cruelty


「それで、何か欲しいような服はあるのかー、ケットシー」
 私、ルー・シウラシベルは、いま、クゥちゃんの新しい服探しに防具屋へ来ていた
「特にありません」
「ないのか」
「はい」
「えっと……クゥちゃん、とりあえず見て回ってみたらどうかな」
「そう、ですね。わかりました」
 魔法使いが着れるような布系の服が展示されている方へと、クゥちゃんを巳依さんといっしょに連れていく
 私の職業ブレイブハンターは、いわゆる魔法剣士に分類される
魔法で作り出した武器を扱い戦う魔法使い、というものを想像してくれて構わない。装備できるのも、やっぱり布装備だけ
 そして、この職業は他に比べて攻撃力が高くて、しかも武器を必要としない。防御も完璧にできて、いろいろと便利な職業だ
「うーん……どれがいいんでしょうか」
「ひとつも欲しい服がないの?」
「はい」
即答だった
「これなんかどうだー?」
と、巳依さんが指さしたのは
「えっ?」
 浴衣だった
「いいんじゃないでしょうか」
巳依さんはその反応を見てクスクスと笑っていた
 わざとだ、きっと
「クゥちゃん、あれは特別な時にしか着ない服だから、他のものにしよう?」
「そうなんですか、わかりました」
 クゥちゃんは、常識が無くて困ることが多々ある
眠っているリョウスケの隣に寝ようと提案したり、大きなボロマントという不思議過ぎる出で立ちだったり、今みたいに何も知らなかったり……
これも、半モンスターとして迫害されてきたからなんだろうか……
「……」
 そういえば、私も最近、新しい防具は買ってないなぁ……
防具や武器も、破損しずぎちゃうと崩壊したりするから、管理もしっかりしないといけない
 リョウスケが使っていた短剣が、良い例だ
「私も、買おうかなぁ」
「浴衣をか?」
「違うよ」
 とりあえず、今着ている服を確認してみる
帽子付きの、黄土色の上着。それにお気に入りの藍色の服とスカート
実はこの服とスカートはINTとWISを少し高めるという特殊効果があるのだけれど……
「……うーん」
どうしようかなぁ……
 服、変えればリョウスケは喜んでくれるかな……
「って! 違う違う! そうじゃなくて……」
うー……やっぱり、いいや。このままでいよう……
「あまり複雑ではない服がいいです」
「「複雑……」」
 ……まだまだ時間がかかりそうだなぁ


「フレイムドライブ!」
光蛇の炎の二連撃が発動し、相手をなぎ倒す
「もういっちょ」
「フレイムスピン!」
ん、確かこれはLv39で覚えた新技だったな
 さらに大きな炎を纏った剣を、光蛇は豪快に振り回した
そして、道が開く
「行け! 霊介!」
「おーけー」
俺は少女の手を引いて、走り出す
「行かせねぇ!」
と、いきなり目の前に三人の男共が降ってきた
「邪魔だ!」
 レベルオプション、Lv50、AGI特化、制限時間2秒!
『認証しました。スキルを発動します』
「っりゃ!」
その男共の合間を、俺は一瞬で走り抜けた
 2秒経ち、結構な疲労が襲ってくる。まぁ、このくらいならだいじょーぶだ
「おっとと」
白衣少女の手が離れそうだったから、持ち方をお姫様だっこに変更
 なんか白衣少女が赤面したが、そんな場合じゃないから無視
「んじゃ、後は頼んだぞ光蛇!」
「まかせろ」
光蛇は現在、俺が抜いた三人を倒しているところだった
 レベルオプション、Lv変更無し、AGI特化、制限時間30秒
『認証しました。スキルを発動します』

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