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Accesses The Reality Cruelty
エノリーク

 巳依と初めて会ったのは、いつだったか……物心つく頃には知り合いになってた
巳依の両親は、確か子供(=巳依)が原因で、離婚。母親は一人で巳依を養うために、働き尽くしの毎日だったらしい
 そのため、巳依はよく俺の家に預けられることが多かった。はっきり言って友達以上兄弟未満みたいな微妙だけど親しみのある仲だった(はっきりしてないな)
んで、俺は幼い頃から完全無視モードを会得しており、周りのことを無視し続けていた。巳依は俺に話しを通じさせるのにムキになって、毒舌モードを幼い頃に会得した
 保育園、小学校でも俺は完全無視モードを常に発動していて、友達は少なかった。けど、巳依がよく話しかけてくれて(毒舌だったけど)、嬉しかった
 それから何年も経って、俺は去年、両親を失った
そしてショックで学校に行かなかった時は、俺を巳依は励ましてくれた。光蛇も励ましてくれた
 何が言いたいのかというと、巳依はこー見えて良い奴なんだよ

「そろそろ着きそうだぞ」
あれから何日か後、道が石の道になり、モンスターがいなくなり始めたところで地平線の向こう側に大きな街が見えてきた
「あれが、エノリークか」
「よく知らないが、半径20kmは普通にあるんじゃないかー」
広いな
「あの都は、9つの地区にわかれてる。ひとつは中央地区、ひとつは東地区、ひとつは西地区、ひとつは北地区、ひとつは南地区、ひとつは北東地区、ひとつは南東地区、ひとつは北西地区、ひとつは南西地区だ。ギルド本部は南西地区にあるぞー」
 ふむ、ややこしいな
「あー、クゥ。わかってるとは思うけど、尻尾と耳は隠せよー」
「はい、わかってます」
「…………」
「どうかしましたか、ミイさん?」
「いや……なんだ……なぜケットシーはそのボロマント一枚しか着てないんだー? 他に着る物がないのか?」
「これですか? これはお母さんから貰った物です。いつも着ているので、そんなに気にしませんでしたが……これではなにかいけないんでしょうか」
「いや、そうじゃなくてだなー……その……恥ずかしくはないのか?」
「はい? 当たり前じゃないですか」
「当たり前なのか……」
「えっと、クゥちゃん。つまりミイさんが言いたいことは、その服は目立つからなにか他に着た方が良いってことじゃないかな?」
「ナイスフォローだ、水色」
「色で呼ばないで……」
「目立つ、ですか。確かに、私のこれは周りの人たちといろいろと違いますね……」
「んー、クゥ。街に着いたら、とりあえずギルド行く前に新しい服を買いに行ったらどうだ?」
「そうですね……みなさんのお邪魔にならなければ、行ってもいいかもしれませんね」
「だってよ、光蛇」
「わかった。とりあえず今日はもう夕方で遅いから、防具屋に行ったあと宿で一泊し、明日アーミーのギルド本部に行くとしよう」
「あいよ」
「巳依さんはどうするんだ?」
「んー? なんだ?」
「俺たちと宿に泊まるか、ギルドに戻るか」
「一泊する。お前ら、私が案内しないとギルドの場所わからないだろー? それくらいは予想できるだろクズが」
「ふぁあ……眠ぃ……」
「そればっかりだな……霊介」
 まぁそんなこんなで、俺たちは大陸中央の都、エノリークへと到着した

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あきゅろす。
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