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Accesses The Reality Cruelty
疲れ
「ぅ……ぁ……」
や……ばい、な……体が……
 MP……使いすぎたか
「霊介……」
光蛇が、俺に近寄ってくる
「ごめ……ん……俺……動け、ないわ」
自然と体が重力に従って倒れる
 ……あぁ、もう見える景色も霞んできた
「後は……頼、む……」
23時までに起こしてくれ、と言おうとしたが、もうすでにそんな体力は残されていなかった

「……んぁ?」
目を開けると、茶色い木の天井が広がっていた
「お、起きた!? 大丈夫!? 生きてる!?」
なんだかあまり意識が覚醒してなくてよくわかんない
 でも、確か、この声は……
「ルー……ちゃん?」
「生きてたっ!」
そりゃ生きてるだろ
 ってゆーかその前に……ここどこ
「目、覚めたか、霊介」
「光蛇……」
あぁ、やっと状況が理解できた
 ここは宿だ。あの四人用の大部屋
そして一番近くには、ルーちゃんがいる。額に濡れたタオルがあるし、看病でもしてくれたんだろうか。疲れて倒れただけだから必要ないのに
「……そうか、守れたのか、俺」
うんうん、よかったよかった。ハッピーエンド
 ……いや、まて。なにか重要なこと忘れてるぞ
……まぁいーか。忘れる=そんな大事じゃない、だ
「うん、ありがとう、リョウスケ……くん」
背筋がぞっとした
「……くん付けやめて。一時期、母国で男好きの男のストーカーに言われまくって軽くトラウマ」
「あ、ごめん……リョウ、スケ?」
ふぅ、助かった
「っと、そーいやHP大丈夫?」
「大丈夫……じゃない。まだ10以下のまま。あと一週間経たないと……」
ん、その口調から察するにまだ今日のままか
「ふむ」
とりあえず体を起こそうとつとめる
「……む」
……なんというか
 死ぬほど体だるい。だるすぎる
「ぐ……」
一度の腹筋すらできないだと……!?
「無理しないで……」
ルーちゃんがそう言ってくれるが、そうもいかない
 動けないのはさすがにまずいだろ
「っていうか、なんか……フインキ? 変わったね」
感じたまま言うと、なぜか光蛇がアイコンタクトをとってきた。解読すると、『この鈍感が。あまりそういうことには触れるな』と、見えた
ふむ、ウザいなこいつ。とりあえずこう送っとこう
『うっさい黙れ。黙らなきゃマヨネーズ5リットル飲ますぞ』
そしてアイコンタクトを自ら遮断。ルーちゃんに視線を戻す
「そ、そんなことないよ」
なんの話だったけかな……やばい忘れた
……まぁいーか
「光蛇、隊長とクゥは?」
「エヴィさんは、MSCの支部に今回のことを報告しに行った。ルーさんを連れていかなかったのは、さすがにHP10以下じゃ危なすぎるからだ。伝言もあるぞ。『ルーをよろしくお願いします、リョウスケさん』って言ってたな。それからクゥは、お前の看病をルーさんといっしょにしてたが、さっき疲れた寝ちゃったよ」
光蛇の視線の先のベットを見ると、確かに布団が膨らんでいた
「なるほど」
……く、いくらやっても起きあがれない
「ところで、今何時?」
「23時半くらいだ」
「そっかー、そんな寝てたのかー」
……うん、なんかやっぱり引っかかる。なんだっけ……
とりあえずここ最近のキーワードでも復唱するか
「街、酒場、コーヒー、デュエル、MSC、カカシ……クソゲー?」
うーん。どれかひとつに関係あるのかな……
……ん、酒場? 酒場というと、なんか幽霊とかたくさんいたよなぁ
幽霊……?
「あ」
ぁあああああああああああ!!!
確か約束したのって、23時じゃん!
「よっと」
冷や汗を流しながら、全力で体を起こす
 ……なんか楽に起きれたぞ。精神的な問題なのか……?
まぁ今はどーでもいい
「悪い二人とも、ちょっと出かけてくる」

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あきゅろす。
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