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Accesses The Reality Cruelty
トラウマ

 ガゥンッガゥンッガガゥンッガゥンッッ!!!!

「うぁあああああ!! と」
撃ちまくる、撃ちまくる、とにかく撃ちまくる
 ……なんか疲れてきた。なるほど、この世界のDEはMPを使って発射するから、疲労がMPである俺は余計に疲れるわけか
……いや、まぁ、それは別として
「手首いてー……!」

 ガゥンッガゥンガガガゥンッガゥンッッ!!!!

いや、ホント痛い。やっぱ反動が凄いDEをこんな連射すればこーなるか。いやー、STRの補整が合って良かった。無かったら今頃は手首粉砕だな
……しっかし、当たんないなぁ

 ガゥンッガガガガガゥンッッガゥンッッッ!!!!

「おい霊介! あんま無闇に撃つな! いま俺に当たりそうだったぞ!」
「えー、なんだって? 聞こえないよー(棒読み)」

 ガガゥンッガガゥンッガガガガゥンッガゥンッッ!!!!

さすがに、疲れたな……
 いったん銃をおろして一息
「しかし、当たらなさすぎる」
あいつAGI高すぎだろ。まぁ、DEXがあんまないせいで、ただ速いってだけだけど

「ウィールズ」
「アイスブレード!」
「フレイムブレイブ!」
もう何度とも知れない攻撃がカカシにHITするが、まったく効果はない
 ちなみにまだDE当たってないから
「く……これじゃあの時と同じように力尽きてしまう!」
隊長が唇を噛んでそう言っている
 まぁ……確かに長引きすぎだ。もう、夕方に見えるオレンジ色の太陽もさっき見えなくなった
「ち……霊介、なんとかDEを当てられないか」
「それがこいつ、このDEだけきちんと避けやがるせいで当たらないんだよ」

 ガゥンッ!!

カカシに向けて引き絞ったが、すでにもういない
「なるほど……そいつの危険性を熟知しているということか。なら、当たれば通じる確率も高い」
「ですが、無理は禁物です。時には逃げることも、戦略の一手です」
まぁ確かに
「……あの〜みなさん」
いままで黙っていたクゥが声を出す
「ん、なに、クゥ」
「さきほど撃っていなくなってしまったカカシさんは、どこにいってしまったんでしょうか」

「……光蛇、どこ」
「見てなかった。エヴィさんは?」
「すみません。少し集中力が低下していまして、見失ってしまいました」
「ルーちゃんは? わかる?」
休憩時間からまだ一度も話に参加してなかった人物に、丁度いいから聞いてみる
「……」
一度感情が読みとれないような微妙な表情で、俺を見た
 ……え、俺なにか悪いことしたっけ
「……知ら「ウァアアア!!」」
ルーちゃんが返事をしているまさにその瞬間、カカシは空から降ってきた
「ルー!!」
隊長が、叫ぶ
 だけど、もう手遅れだった
遙か彼方まで空に跳んでいたカカシはルーちゃんの頭上に落ちてきて、踏みつぶす
いくらSTRが少ないと言っても……こんなのを食らったら!
「ぁ……」
蘇る。トラウマが、死を目前にした記憶が、ヨミガエル
 足が潰され、手が潰され、それでもまだ生きていて苦しんでいる父さんの姿
 悲鳴すら上げられないまま頭が潰れて死に絶えた母さんの姿
 まったく動くことができない、ほぼ体中粉砕骨折をした妹の姿
もうあんな映像は見なくていいと思ってたのに
もうあんな現実に迷わなくていいと思ってたのに
「ぅ……ぁああああああああああああああああ!!!」
もっと真剣に戦っていれば。もっと全力で戦っていれば
もうなにも惜しまず、あのスキルでも使っていれば
こんなことになんてならなかったはずなのに
 だから、走る。全力であのボスモンスターに迫る
まだルーちゃんが死んだ確証はない
 だから……だから……!

 まだ間に合うのなら……絶対に助ける


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あきゅろす。
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