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Accesses The Reality Cruelty
カカシ
「そのモンスターは、HPもMPもINTも……ほとんどのステータスが限りなく低いんです。ですが……」
「ある能力値が、極端に高い?」
「そうです」
「あいつには、私たちの攻撃がなにひとつ通じなかった。圧倒的なVITとWISを、そのモンスターは備えている」
「攻撃力であるSTRやINTは、そこまで高くはありません。いや、むしろ低い方です」
「だけど……そのスピードであるAGIの高さと、防御力であるVITとWISの高さは、まさに圧倒的」
「HPは高くないので、一度でもクリティカルヒットさえでれば、と思ったんですが」
「……クリティカルヒットが出ないような魔法がかかっていた?」
「バカ言え光蛇。きっとなにも食らわなかったんだよ」
「クリティカルヒットでそれはないだろう」
「いえ……リョウスケさんの言うとおりです」
「……え?」
「クリティカルヒットは、何回も出たの。だけど……あいつのHPは、1ドットも減っていなかった」
奥歯を噛みしめながら、ルーちゃんが言っていた

「その名はカカシ……か」
光蛇が、なんか呟く
 俺たちは一度別れ、一時間後、街の入り口に集合ということになった
一日で往復できるらしいから、夜の約束にも問題はない、たぶん
「カカシってカラス避けの道具じゃなかったっけ」
「だな、なにか関係があるのかもしれない」
「カラス、ってなんですか」
「ブラックバード」
「無駄にかっこよく言わなくてもいいだろ霊介。それにカラスという意味じゃないぞ、その単語」
うるさい黙れ
「あー、そういやこの世界って英語がない設定だったか。なら、いまのもクゥには意味わからないか。じゃあ……漆黒の怪鳥」
「え!? そんなのに簡単にカカシさんは勝てるんですか!?」
ん。この世界にカカシはないのか
「凄いぞ、目からビーム出して丸焼き……じゅる」
やべぇ、なんか食べたくなってきた。鳥の丸焼き
「そ、そんなことができるんですか!?」
クゥはもの凄く好奇心旺盛な目で、笑顔で言う
 ……ん
「クゥ、尻尾」
「え……あっ!!」
すぐさま左右に揺れていた尻尾をボロマントの中に戻す
「あ、ありがとうございました。気づいてくれて」
「俺はなにも……いや、どーいたしまして」
せっかくお礼言ってくれてるんだし、遠慮するのも悪いな
「へぇ……」
光蛇がなんか言ってる。ウザいから無視
「あの謙虚な霊介が、簡単にお礼を受けるとは」
「うっさい黙れ」
「ここまで育てた甲斐がありました」
「いや、クゥに育てられた覚えはないし、逆に育られたとしてもクゥが育てられる側だろ」
「いや、霊す「うっさい黙れ」」
「えー。それはないですよ。私、こう見えて年はけっこう上なんですよ?」
「へー。何歳?」
「女の子に聞「うっさい黙れ」」
「12歳です!」
「……予想より上だった」
「ですよねっ!」
悪い意味でな……
「お「うっさい黙れ」」
「リョウスケさんは何歳なんですか?」
「ん、16だったかな」
たんじょーび、いつだったっけかな
「俺は「うっさい黙れ」」
「え……私より年上ですか!?」
身長差でわかるだろ
「し「うっさい黙れ」」
さて、とりあえず昼食を食べに宿へ戻ろうかね
「宿に戻りましょう、リョウスケさん」
お、シンクロした
「あいよ」
「お「うっさい黙れ」」
そうして俺たちは宿に向かい、部屋へ戻っていった

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あきゅろす。
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