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Accesses The Reality Cruelty
真剣勝負
 頭が冴えてゆく
神経だけが無駄にとぎすまされ、雑音が頭の中から消え去る
久しぶりの、感覚だ
 先輩との真剣勝負以来だ
どうでもいいなどという雑念を消し尽くし、全てを目の前の出来事に集中する
そして目を大きく見開き、ターゲットをひとつに絞る
 ルー・シウラシベル1人に、ターゲットを絞る
「……行くよ」
俺が真剣なのがわかったのか、ルーちゃんからもふざけた態度が消えたのがわかった

横なぎに払われた大剣を、短剣を構えつつしゃがんで避ける
そしてルーちゃんが腰に大剣を構えた瞬間に、全力の速度で突っ込み短剣を振り回す
「……」
手ごたえが、あまりない
 これがきっと光蛇が言っていたプロテクト、魔力の壁なのだろう
と、大剣が俺の顔めがけて突き出された
俺は左腕で自分の左側の体を思い切りたたき、無理矢理体を右に逸らさせる
俺のすぐ横を過ぎ去った大剣……いや、それを持っていた右手へ瞬時に短剣を突き出す
しかしルーちゃんは大剣を右手から離して、引いてそれを回避
落ちた魔力の塊である大剣がなくなる前に、すぐさま次は左手を前へと延ばし、ルーちゃんの右腕を掴む
そうして、新たな攻撃を封じる
左手はこの際放っておいて、俺は掴んだルーちゃんの右腕をこちらに引き寄せながら、右手の短剣を払う
 見事クリティカルヒットし、プロテクトに守られていながらもルーちゃんのHPが目に見えて減少する
さらに離れかけたルーちゃんの右腕を引き寄せて、今度は突きを繰り出す
 しかしその瞬間
「プロテクター」
ルーちゃんの左手が短剣の剣先へと瞬時に持っていかれ、その短剣がまるで見えない壁に当たったかのように、左手に当たる直前に空中で弾かれた
 そういえば……酒屋でもこいつ、素手でメイスを止めてたな
このプロテクターとかいうスキルの効果か、あれは
 と、さらに弾かれて怯んでいる俺の体にルーちゃんは左手を突きつけて、言う
「アタッカー」
なにかに貫かれた
 そんな感覚しかなかった
状況を判断するのに、1秒は使った
ルーちゃんの左手から不可視の魔力の剣が形成され、それが俺を貫いた
つまりそういうことだ
「っ!」
しかもすごい威力だ
俺はルーちゃんの左腕を離し、後ろへ2メートルほど吹き飛ばされる
HPは……残り7/10くらいか
ルーちゃんはまだ8/10くらいだ
 半減決着だから、もうすぐか……
「不可視の剣に、不可視の盾、か」
それに、魔力の鎧
 圧倒的だぞ、これ……
……あ、いまHPがちょっとだけ減少しやがった
諦めかけたからか、いかんいかん
 もっと集中しろ……
……こいつに勝てる可能性と言えば
「やっぱ、DE(デザートイーグル)かな」
ちなみに、DEは道ばたに落ちてたのを拾っただけだ
 説明書まで付いてたんだよなあ
確か……MPを消費して、弾丸が物質化。それが勝手にDEに補給されるから、リロードの必要はないとかなんとか
 まだ一度も使ってない反則級スキルは、今は使うべきじゃないだろう。あれは本当に危険なときじゃないと危ないからな
「どうするの? 降参する?」
「まさか」
さて……第二グランドスタートだ

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