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Accesses The Reality Cruelty
不安

「……兄さん」
 兄さんは、どこかへ行ってしまった
……私は、前に出ることができなかった
 ただ、見ていることしかできなくて……
「うぅ……ぅああああああ」
 子供の頃からまったく変わっていない自分に対して、嘆いた



「くふふ……こりゃ大変だ……」
 なんとか回復して、苦労して来てみれば……なんなのこのカオス
「……」
 ……誰かの泣き顔を見ると、あのどうしても嫌なことを思い出してしまう
……昔の自分を見ているようで、酷く動揺してしまう
 こんなところに、長居はしたくない
「あの二人のとこに……」
 戻……ると危なすぎる気がする
 だって、あんな化け物みたいなやつに襲われて勝てるわけないじゃん
団長から貰ったボクの『究極魔法』のひとつを使っても勝てそうにない
「くふふ……あれに勝ちたいなら、きっと『南の魔王』を持ってこないとだめだろうね」
 たとえ北の魔王が司る《暴走》を解放したとしても、あんなのに勝てるとは思えない
「……団長はいったいなにを考えてるのやら」
 すでに強大な力を蓄えていたリョウスケを媒体に、魔神を宿らせる
 ……違う。団長はそんな意味のないことは考えない
「意図的に、こうなることを予測してたんだろうねぇ……」
 まったく。我らの団長様ながら思考回路がまったく掴めないよ


「ははははははは、素晴らしいじゃないか!」
 ギルドMSCの本部にて、千里眼と呼ばれるスキルを用いて霊介とやらの力を確認していた
「本当にあれは人間か!? まるで化け物じゃないか! ははははははははははは!」
 楽しい
 楽しくて堪らない
「もっと、もっともっと面白くしないと……くく」
 最高のショーの場を、俺が用意してやろう
「俺の持つ数々のデータスキル、究極魔法……全部総動員だ」
 祭りは、騒がしいに限る

 さぁ始めよう。希望と絶望の祭りを


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