[携帯モード] [URL送信]

Accesses The Reality Cruelty
対話

 時は今から15分前です
その頃、轟音が聞こえて雷の障壁が突然現れた一角を目指して走っていました
それを遮ったのは、りびんぐでっど? 幹部のリノさんです
「元気してるー?」
「……リノ」
「わ、いきなり不機嫌にならないでよノアちゃん」
「ちゃん付けはやめて」
「どうして? 可愛いよ?」
「……リノちゃん」
「スミマセンモウイワナイカラユルシテクダサイ」
「わかれば、いい」
 と、キリを見計らってかコウタさんが話を切り出しました
「それで、いったい何の用だ」
「んー? ちょっと足止めを依頼されちゃってね。人使いホント荒いよー……」
「なるほど」
 納得したようにコウタさんは呟いて、背中のどらごんふれいむあるふぁ? に手をかけた
「わわっ! いきなりー」
「それはそうでしょ。私たちとあなたたちは敵同士なんだから」
 ルーさんも魔力で大剣を作り上げたりして戦闘準備を整えます
「当然」
 ノアさんも大鎌を出現させたので、私も急いで臨時体制を取った
「それより、さ」
 と、それに気にも止めずにリノさんは続けます
「どうしてみんな、リョウスケといっしょにいないの?」
 ……一瞬悲しい雰囲気が流れたのは、勘違いじゃないと思います
「あいつは……死んだ」
 コウタさんの返答にキョトンとしたリノさんは、次の瞬間笑いだした
「くふふふ、あははははは」
「なにがおかしい!」
「いやー……くふふ。そっかそっか、死んだのかー」
 むぅ……リョウスケさんのことが侮辱されると、なんだか気分が悪いというか……なんでしょう、これ

「面白い勘違いもあったものだね」

 そんな私の思考も完全に遮断させるような意味を持つ言葉が、彼女の口から発せられた
 ……その意味が理解できなくて、聞き返してしまう
「リョウスケさんは……生きて……るんですか……?」
「あれれ、ホントに死んでるの? じゃあボクたちがさっき見たのは偽もーー」
 今……なんて言いましたか?
「本当にリョウスケさんは……生きてるんですか!」
 聞きたかった。真実を知りたかった
もう一度だけでもいい。彼に……リョウスケさんに会いたかった
「くふふ、熱いよー。恋する乙女の力は凄いねー」
「質問に答えてください!」
「…………そんなの、ボクを倒して先に行けばわかることだよ」
「ーーっ!」
 リノさんのその言葉でその場の全員が戦闘を始めようとした瞬間

 見たことのない……いえ、お母さんを相手にしていた時の彼が使っていた、黒い魔力の塊が雷の障壁を突き破って街の一角を破壊した

「っ! 今だ!」
 瞬間、全員の意識がそちらに向いていたことは間違いない
コウタさんはその一瞬の隙を見逃さず、リノさんへの距離を一気に詰めて斬りつけていた
「うぁ!」
「フレイムドライブ!」
 そこから生まれた隙を見逃さず、さらに連撃を繰り出す
「どうして……」
「スキルである『見切り』には、霊体を斬りさくことができるようになる効果がある」
 そう言って、リノさんを遠くへ斬り飛ばした
「行くぞ!」
 そうして私達は、急いで轟音の元へと走っていった

 そしてそこで見たのはーー
「リョウスケさん!」
 狂気に支配されていた、私の大好きな男の人の姿だった

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!