[携帯モード] [URL送信]

Accesses The Reality Cruelty
救援と覚醒
「っ! 落雷!」
 急に襲いかかってきた竜巻に対し、エヴィンは空から落雷を呼び出して打ち消す
「……レミリナ・アヴァンストリームか」
 と、急にエヴィンが後ろに下がった
直後、元いた位置が爆発した
 そしてそこに、人影
「お前……」
「魔王参上!」
 と、レミリナが二人を睨む
「おや?」
 ララが何かに気づいたように、なにかを呟く
すると目の前に巨大な半透明の盾が出現し、数瞬後すごい勢いで切り刻まれた
「マズいですわね……」
 ーーチャンスだ!
 即座に魔王の力で麻痺を拒絶。立ち上がりざまにララへと突っ込む
「っ!」
 半透明ガードを無理矢理突き破り、ララと螢を引き離す
「大丈夫か!」
「う、うん……」
 ……余程不安だったんだろう。目から涙がこぼれている
それを見て、怒りの感情が溢れてくる
「レミリナ、急だが頼む」
 俺はレミリナの近くへ一瞬で移動し、螢を強引に預けた
「後は、俺がやる」
 そう言って、あの二人に目を向ける
エヴィンも魔神の核をリュックへと戻し、戦闘状態に入っている
「……殺してやる」
 あの悪魔の囁きも無しに、俺は簡単にそう言い放っていた


「兄さん……」
 銀色の髪、金色の瞳という容姿へと変貌を遂げた兄さんを見送り、急に不安が募る
 ……バルハルトとの戦争のときにも使っていた、黒い力
 それはもしかしたら、兄さんをどんどん取り込んでいってるんじゃあ……
「……あれも、魔王なの……?」
 ……魔王?
 兄さんが、魔王……?
二人で呆然と兄さんを見ている中、宝箱が盛大に暴れていたことに私たちは気づけなかった


「逃げられると思うなよ……?」
 低い声で目の前の悪魔がそう呟いた
 ……なんて力だ。これが、魔王の力……
「エヴィン、ファースで逃げましょう」
 ファースというのは、瞬間移動魔法のことだ
……一時撤退か
「わかったよ」
 頷き、同時に呟く
「「ファース」」
 そして瞬間移動をし……
「空間固定」
化け物が右手を上げてそう言い放つ
 すると同時に俺たちの頭の中に、声が響きわたった
『スキルが拒絶(レジスト)されました。魔法を発動できません』
「なんですの……これ!」
「ち……」
 なんてことだよ……
こんなやつを相手に、足で逃げろと?
「……死に絶えろ」
 その右手に、無限に圧縮された黒の塊が形成されていく……
「この……落雷!」
 せめてもの抵抗に、最大級の威力の落雷を落としてやる
だが化け物はそれを自ら喰らい、取り込んだ
「っ……」
 だめ、だ……
このままじゃ、死ぬ……?
「くそ……まだ俺は……」
「いいから、とっとと死ね」
 その言葉と共に、化け物は圧縮した黒の塊の力を周囲に解き放った


[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!