[携帯モード] [URL送信]

Accesses The Reality Cruelty
MSC本部前


「懐かしいなぁ……」
 ルーさんはそう呟き、目前にあるMSC本部を見上げる
……一言で説明するなら、高層ビル。なぜここにも日本文化が? いや、確かにMSCはアルファベットだが……
「大きいですね……」
「聞いたことはあるけど、初めて見た」
 続いて、クゥとノアさん
「団長との面会はうまくいくと思うか?」
「簡単に済むと思うよ。あいつ、面白いことならなんでも食いつくし」
 さりげなく団長をあいつ呼ばわりだ……
「でも……気をつけた方がいいよ。あいつ……善心がないから」
 ルーさんのその言葉に、多少緊張する

……霊介が死んでから早一ヶ月
 俺は決めた。親友のために……生きて両親にも会うために、必ずゲームをクリアすると
とにかく早めに依頼を済ませ、本格的にリビングデッドに反撃をしたいと思ってる
 霊介が死んで大変だったが……(クゥは虚ろな目をしながら涙流したり、ルーさんは元気そうに装ってるけど時々泣いたり、ノアさんはどうみても悲しみを我慢して頑張っていたし)それも落ち着いてきた
 今ある問題は……というと
「ところで、ルーさんはここでお別れなのか?」
「え?」
「元々MSCのメンバーで、そちらの仕事があるだろうし……」
「……このパーティにいるよ」
「できるのか?」
「無理ならギルド辞める。リョウスケの意思も継ぎたいし……ね」
「……そうか」
 それはそうとして、報告はまだなんだろうか
ただいま俺たちは高層ビル(MSC本部)の前にて、警備員(MSCメンバー)のような男に社長(団長)に面会できるように話を通したのだが……聞きに行った奴が帰ってこない
 ずっと立ちっぱなしなのだ
「そういえばリョウスケで思い出したけど、クゥちゃんリョウスケのこと好きだったんだね」
「あ、あれですか? 最後の」
「……そう。最後の最後に、告白してた」
「むぅ……大好きでしたけど……何度も言うのは恥ずかしいです」
「リョウスケ、モテモテ」
「ノアも好きなの?」
「異性としては見ていなかった……と思う。友達としてなら大好き。リョウスケは、私の恩人」
「リョウスケさん、実はかなりお人好しですからね」
「同感。ルーは、どうなの? リョウスケ、好きなの?」
「……聞かないで」
「好きなんですね」
 …………。
だめだ。こういう会話に俺はついていけない
 リョウスケ直伝の無視スキル発動だ
「……そういや」
 あいつ、この世界に来て変わったよな
最初はいつもみたく周りを無視しまくってたが……旅が進むに連れて、無視の比率が下がってきてる
 性格も少し変わったりしていたとも思う。もちろん良い方向に、だ
「俺は、どうなんだろうな」
 変わったのか?
 変われたのか
そう考えているうちに、あの警備員が戻ってくる
 結果は、面会承諾だそうだ
「行こう」
 俺は三人を引き連れて、MSC本部へと足を踏み入れた

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!