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Accesses The Reality Cruelty
もう一人の異常
「……なんだ、ここ」
 周りを見渡せば、ただ真っ黒い空間
「夢、か」
 その可能性は十分に考えられるが……
『目覚めたか』
「あん? てめぇどこのおっさんだ」
 空から声が降ってきた
敵意は感じない。けど、夢だというのにはっきりしすぎている
『ゲームの中に入りたいとは思わないか?』
「厨二病、乙」
『……思わないか?』
「ないね。はっきり言って微塵もない」
『もし入れるとすれば、どうする?』
「ゲーム制作者を暗殺する」
『……お前をゲームの中へ入れてやろう』
「黙ってろオッサン。もっと話のわかるやつ連れてこい」
『…………リョウスケとかいう者以外に、こんなバカなやつがいたとは』
 リョウスケ……?
青柳霊介。俺の名目上の親戚であるあいつのことか?
「いいから、とっとと目を覚まさせろ。夢は飽きた」
『お前たちの言う RPG の世界でなるとするならば、お前はどんな職種を望む?』
「入りたくないって言ってんだろ」
『……』
「ち……いつか後悔させてやるよ。職種? んなもん詐欺師で十分」
『そんな職業はない』
「なら作れ。勝手に連れ込むならこっちの願いを聞き入れるのが最低限の礼儀だろ?」
『……いいだろう』
「上等」
『ゲームをクリアしさえすれば、脱出を許してやる』
「そうかい」
『救世主にでもなればいいさ』
「誰が、んなもんなるかよ。くだらない。子供の遊びじゃねぇんだ」
『やる気は十分、か』
「ああ。たとえどんな最強が立ちふさがろうとも、俺のお得意のイカサマで不戦勝してやるよ。魔王だろうと勇者だろうと救世主だろうと、イカサマで勝利を奪い取ってやる。勝てば官軍、だ」
『おもしろい』
「救世主になんて俺はならない。俺が目指すのは、魔王すら土下座させてみせる『現実の体現者』だ」



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