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Accesses The Reality Cruelty
人違い?
「おーい、起きろー……」
 とりあえず適当に揺らしてみるけど、起きない
第一、ずっと背負ってたんだから結構揺れてたはずだ。それで起きなかったんだから起きるわけがない
「……どうしたものか」
 ……髪は薄紫色の長髪だ。起きるかなーと目を開けさせてみると、瞳は少し紫のかかった赤色だった
姿は見るからにクゥより幼い容姿で、お人形さんみたいという言葉はこういうときに使うということが身に染みてわかる
服は黒いローブ、帽子付き。これまで会ってきたような奴らもそうだけど、黒色流行ってんの? 俺のキャラがどんどん薄くなるんですが。まぁ目立たない色を選んだのは自分ですが
「……よし」
 宝箱を、ゆっくり閉じて、
「見なかったことにしよう。開かなかったことにしよう」
 言い聞かせるように言ってみる
「う、うん。そうだね……」
 螢もなんとか同意してくれたし
「さぁて、休みま「ウォオオオオ!」」
 ガシャーンという音を立てて、部屋の扉が吹き飛ぶ
「今度はなんだよ……」
 誰が弁償するんだ、これ。俺はしないからな
「リョウスケだな」
 入ってきたのは、たくさんのモブキャラたち
「に、兄さん……!」
「ん」
 なんかヤバい空気だな
「違う」
「嘘をつけ! 頭の上に表示されてるじゃないか」
「違うって、よく見ろ」
 バルハルトの力、解放
タイムロック Ver2ndトライアル。ネームエディット。この二つを同時発動
『『認証しました。スキルを発動します』』
 タイムロックの二次効果は、止まる時間が二秒になること。そんだけ
世界全ての動きが停止した中、俺だけが動ける
 瞬時に表示名を『サピエル』に変更。無論、ザビエルをパクりました
時間が、元に戻る
「あ……あれ?」
「俺はリョウスケなんて名前じゃない。さぷ……サピエルだ」
 噛んだことは気にしない。気にしてるのはきっとザビエルさんだけだ
「……人違いだ。すまなかったな」
「あいよ。扉、弁償しとけよクソ野郎ども」
 ……ふぅ、なんとかだいじょーぶだったな
「兄さん……今のなに?」
「心当たりは一つもない」
 言いながら、名前を元に戻す
「ちょっとあいつら尾行しよーぜ。なんかわかるかもよ」
「え」
「嫌なら別にいいけど……」
「い、行くよ、兄さん。でも危ないと思ったら逃げてね」
「それは兄が妹にかける言葉だ」
「えー」
「無関心に驚かなくてよろしい。……それはそうとして」
 宝箱に、目をやる
「これ、どうしよ」
 ……もういいや。諦めよう。時間ないし思考は放棄する
というわけで、再び宝箱を背負い直し、尾行を開始した

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