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Accesses The Reality Cruelty
宝箱の中身

「……へえ、随分と面白い情報だね」
 リビングデッドの奴らは、レミリナ・アヴァンストリームからリョウスケという名の化け物に対象を変えた……か
「横取りしちゃおうかな」
「それともう一つ」
「うん、なに?」
「コウタという者が率いる4人組が、アーミーの使者としてMSCを訪れています。団長にお会いしたい、と」
「あー、エヴィが言ってたカカシの件で世話になった奴らかな」
「恐らく」
「ならルーもいるだろうし、いいよ。通しちゃって」
「了解しました」
 ……さて、面白いことになってきた
とりあえずMSCメンバーにリョウスケ捜索を命じといて、コウタとかいうやつは、騙して北の魔王探しでもさせてやるかな
「ま、言うこと聞かないなら拷問かな。許しを請いたなら、殺そ」
 ……俺にとっては、魔神とかリビングデッドとか、そんなものはどうでもいい
面白そうだから首を突っ込む。それだけだ


「さて、と」
 俺と螢は水火から一歩出て、新鮮な空気を吸う
「宿、探すか」
「うん」
 ……っと、あそこでいーか
「ほた……ってどーした」
「……なんだか、誰かに見られてたような気がして」
「ん……まぁ結構人がいるし、そう感じるのはしかたないんじゃないか?」
「……うん、そうだね。行こ、兄さん。あの宿だよね」
「そそ」

 部屋は二人用の小部屋にした
俺と螢は兄妹だから、巳依に怒られることもないはず
「……どうして二人部屋にしたの? 兄さん」
「ん、二人だし……安いからな」
「むぅ……変なことしないでね」
「兄妹でそんなんするわけないから」
 巳依みたいなことを言うな……
 と、さっさと休もう
背負ってた無駄に重い銀色の宝箱を下ろして、一息
「それで兄さん、それはどうやって開けるつもりなの?」
「ん……考えてなかった」
「……なのに買ったの?」
「うむ」
「兄さんらしいね……」
「それ褒め言葉?」
「近いかな」
 さて……どうするか
「とりあえず」
 俺は普通に開けることを試みようとした……が、やっぱ鍵かかってる
鍵穴はあるけど鍵ないしなぁ……
 魔法でも開かなかったんだっけ
「うーん」
「どうするの?」
「壊す?」
「中身も壊れちゃうかもしれないよ?」
「うーん。なら、鍵穴に針金を」
「この世界だと、宝箱の鍵には魔法がかかってるから無理だと思う」
「なら……もうこれしかなくないか」
 俺は宝箱に近づき、開く取っ手の部分を掴む。足で宝箱を固定して、力を込める
「鍵を無視して開けるつもりなの、兄さん? その宝箱強力だから、Lvが100あっても無理だと思うけど……」
「任せろって」
 ……レベルオプション
『認証しました』
「Lv100、STR特化、制限時間三秒」『スキルを発動します』
 さらに、バルハルトの力を解放っと。ステータス約1.5倍
「これで、どうだぁあああああって、うぉわ」
 鍵が予想外に弱っていたらしく、簡単に開いた
力が有り余ってた俺は宙返りして地面にバタンキュー。さらにレベルオプションの反動まで来る
 まぁ、バルハルトになったことでMPがかなり増加したみたいだから、前回より全然疲れないけど
でも
「このまま寝たい……」
 無駄に疲れたことを考えると、脱力する
「に、にににに、兄さん!」
 と、そんな俺に螢がめちゃ慌てて話しかけてきた
「どしたー」
「……お、女の子が……」
「んぁ?」
「女の子が……中に入ってる」
「……………………うん?」
 起きあがって、中を確認する
見ると中で、クゥくらい……クゥより小さいかな……くらい小柄な少女が丸まって寝くるまっていた
「…………はい?」
 意味がわからない。なんだこの状況?

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あきゅろす。
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