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Accesses The Reality Cruelty
マグスフィッシュ
「マグスフィッシュって……」
 ……ナニコレ
俺も螢と同じようにマグスフィッシュの塩焼きセットというのを頼んだんだけど、実に食べにくそうな魚料理だった
 まず骨が凄い。数も大きさも通常の倍以上あった。なのに魚自体の大きさはそのままで、さらに額から角が生えていてこれも食べれるらしかった。ヒレが異状に活発していて、通常の魚の四倍はある。ちなみにこれも食べれるらしい。よく見ると、骨も中心部だけ食べれるみたいだ。醤油に漬けて食べると美味しいらしい
 身は……あんまりない。なんでだよ。魚料理に身があんまないってだめだろ
螢が言うには、身が一番美味しいらしいが……なにより食欲をそそらないものがもう一つあった
 ……身の色が紫色
ふざけてる。なんでこんな一番食欲をそそらないような色してんの? 外見色は普通の魚と同じくせに
「兄さん、食べないの?」
「……………………………………食うよ」
 覚悟を決めるんだ青柳霊介。頑張れ青柳霊介
自分を励ましつつ、とりあえず角を食べ……
「こ、これは……!」
 うまい……だと!?
なんか表現しがたい不思議な味が口の中に広がりつつ、塩と混ざり合ってなぜか美味しくなっている……
次にヒレを煎餅みたいにパリっと食べる
「な……にぃ!?」
 ……一言で言うなら、海の味がした。これもうまい
「ね、兄さん、美味しいでしょ?」
「確かに……」
 こんなに食欲をそそらない外見してるくせになぁ……
「身が一番美味しいよ」
「なんで一番食欲の無くなる部分が一番美味しいんだ……」
 文句を言いながらも、その紫色の身を……
「……」
 …………食べた
「…………神だ」
 凄いな……元の世界の塩焼きより14倍は美味しい。でも15倍ほどじゃない
「それは大げさ過ぎるよ兄さん……」
「じゃあ偽神だ」
「……うん。もうそれでいいよ」


「……あは、到着っとぉ」
「いつも元気だよな、お前」
「リノがバカなことは今に始まったことではないわよ、エヴィン」
「……そんなに言わないでよー。拗ねるよ?」
「気にするな。お前の性格は直しようがないから諦めてる」
「子供みたいですからねぇ」
「むー……やっぱり連れてくるんじゃなかった」
「団長命令なんだからしかたないだろ」
「それに、この前一人で無理をして両腕を粉砕骨折してたのは、どこのどいつですの?」
「……はあ」
 やっぱり、連れてくるんじゃなかったなぁ……
リビングデッド幹部の一人、エヴィン・リストラーク
リビングデッド幹部にして天才研究員、ララ・ナーズブレア
 エヴィンはダークエルフ、ララはエルフだ
暗い地面下を住処とし生きてきた闇のエルフ。自然と共に生きてきた光のエルフ
 どちらも大陸東の方でよく見かけることができる種族だ
「ほら、とっとと仕事に移るぞ」
「……わかってるよー」
「確か、リョウスケという名前の化け物を、このエヴォルノの核に喰わせればいいんですわよね」
 と言って、ララは背中に背負う大きなリュックを両手に持ち変えた
開けたその中には、心臓のような鼓動を続ける魔神の核……見ているだけで吐き気を催すようなものだ
「らしいな。で、なにかそいつを呼び寄せる作戦でもないのか? この街にいるのは確かなんだろ?」
「うん、いるよ。とりあえず、こんな作戦でどうかな」
 ボクは人差し指を立てて見せる
「指名手配書を配るんだ」
「と言うと?」
「一応、道具の記録魔法でリョウスケの姿は撮ってある。それを元に指名手配書を作り、酒場や裏酒場に貼る。生け捕りにしてボクたちのところに連れてこれれば賞金をやる、って内容でね。もちろん高額だよ」
「採用だな」
 さぁ、君の力を見せて、リョウスケ

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あきゅろす。
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