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Accesses The Reality Cruelty
水の都へ

「もうすぐ、水の都マルノンに着くんだっけ」
「……水の都ミルノスだよ、兄さん」
 光蛇を追いかけること早一ヶ月
未だに見あたらない事実
「テイル、馬車はまだ見かけてないのか?」
「グオオ(ないない)」
 俺たち二人は、テイルに乗って大陸北側をゆっくり目指していたのだが……
「あー、あいつ早すぎるんだよ。もっとゆっくり進めや」
「どこの村や街に行っても、もういないって言われるからね」
「まったくだ」
 ちなみに俺はもう螢が記憶を取り戻したことを知ってる。螢っていつでも呼んで良いそうだ
「……でも、絶対にミルノスにはいるんだよな」


 一ヶ月前……
「おーい……名前なんだっけ。まぁいーや。おーい、バルハルト〜!」
「……騒がしいですね」
 一人で東の林に行き、俺はバルハルトに会いに行った
「あ、いたいたっと」
「おや、ゾンビさんではありませんか」
「クゥいる?」
「……つっこまないんですね」
「まぁ事実一回死んだしな」
「究極魔法のひとつ、エグジスタンスエクスチェンジか……はたまた究極魔法のひとつネクロマンシーか」
「知らん」
「クゥなら、コウタたちについていきましたよ」
「だろーなぁ……」
「……? おかしいですね」
「どした」
「あなたから、バルハルトの気が感じ取れます」
「だってバルハルトだしな」
「…………バルハルトは、この世に私とクゥだけのはずですが」
「まぁいろいろあったんだよ」
「……まぁ別に良いでしょう。多いに越したことはないですから」
「そっすね」
「それで、何か他にも用事が?」
「ん? まぁあとは……謝罪?」
「謝罪、ですか」
「……殺そうとして、ごめん」
「別にいいですよ。気にしてません」
「そうかい」
「しかたのないことでしたからね」
「……」
「それにしても、やはりおかしいですね」
「今度は何だ」
「バルハルトになったのなら、心読であなたの心を読めるはずなのですが」
「まぁあれだろ。俺は純血人間でも純血モンスターでもない。モンスターに限りなく近い人間ってとこだからじゃねーの」
「ならばその場合、クゥもあなたの心が読めなくなった確率が高いですね」
「へー」
「クゥは人間とモンスターの中間ですからね」
「俺はモンスター寄りだから読めないと?」
「はい。それにあなたの場合、誰の心も読めることはないでしょう」
「そりゃよかった」
「ですがバルハルトになったということは……スキルの同時発動が可能になったということですか」
「ナニソレ」
「私は、複数の魔法を同時に使っていましたよね」
「そうだっけ」
「そうです。それと同じようなことが、あなたにも可能になります」
「へー」
「後、変わることと言えば基礎ステータスの上昇くらいでしょうね。あなたの場合、おそらく1.5倍か……慣れれば3倍は越えますね」
「へー」
「……用はもうないんですか?」
「ないない」
「そうですか……では、クゥをよろしくお願いします」
「あいよ」


「兄さん! ミルノス見えてきたよ」
「んぁ」
 水の都……か
どんなとこかね。まさか海の上とか?
「まぁ着きゃわかるか」
 さて、とりあえずまずは昼飯を食べようか

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あきゅろす。
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