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Accesses The Reality Cruelty
クゥの決意
 突如、俺を中心にして300ほどの魔法が発生したのを感じる
「くらいなさい」
 その全てから、さきほどのレーザーという魔法が放たれる
俺は動かず、データスキル《グリード》を使うことに集中する
 全ての光線を、取り込む
「っ!」
「返すよ」
 右手を翳す
300の光線を一つに圧縮した光線を、放つ
「く……」
 見事直撃する
いや、直撃させた
 膨大な魔力で相手を拘束しておいたので、楽に当たった
「一発で終わらせよう」
 右手に、膨大な魔力を纏わせ、圧縮する
「レベルオプション」『認証しました』
Lv100、全能力特化、制限時間3秒
『スキルを発動します』
 俺はバルハルトを見据え、瞬間移動を越えるスピードでバルハルトの目の前へ移動する
 そして、右手を相手に突きつけ、魔力を暴発させた
「ウァアアアアアアアア!!」
 黒い爆発が、巻き起こる
まるでダークフェニックスの使っていた大魔法のような力が、周囲に広がった


「……く……」
 バルハルトの攻撃を受けてなお、私はまだ生きていた
いや、違う。元々殺す気なんてなかったのだろう
「あれは……?」
 バルハルトが、倒れていた
その目前には、霊介もいる
 ……でも、様子がおかしい
 髪は銀色に、瞳は金色に染まっていた。その周囲にはまがまがしい黒い力を纏い、バルハルトを見おろす
「……あ」
 と、そのとき
林の方から、誰か知らない女の子が飛び出てきたのが見えた


「はあ……はあ……」
まだバルハルトは生きている
 ……無理をしすぎたかもしれない
さっき確認したが、螢は生きていた
けど、いまはそんなことはどうでもいい
 俺は雨の中、トドメを刺すために、腰にかけてある黒い小刀を抜き取り、両手で構える
 それをバルハルトに振り下ろ……
「待ってください、リョウスケさん」
 振り下ろす直前、バルハルトの前に……クゥが、立ちはだかった
「お母さんを殺すのなら、私もいっしょに殺してもらいます」
 ……決意に染まった、瞳
「っ……!」
 ……螢のために……俺はここまできた
そのためなら……仲間だって、殺せるだろ?
《殺せ》
「……どけよ」
「どきません」
 殺さないと、だめだ。殺さなければ、螢の望みは叶わない
《早く、殺すんだ》
「絶対に、どきません」
「……!」
 ……早く、殺せよ
螢のためなら……なんでもできるんだろ?
《妹のためになら、仲間だって殺せばいい》
「……俺は……」
《殺せ》
「……私を殺さないと、リョウスケさんの望みは叶いませんよ?」
「……!」
「私には……あなたの心が、わかるんですよ?」
 決めたはずだろ?
 決意しただろ?
 螢のためなら……俺は……
《殺せば、楽になれる》
「リョウスケさん……殺して、ください」
「俺は……」
《さあ、殺すんだ》
「俺は……!」
 さあ、いますぐクゥをころ……

「俺には、できない!!」


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あきゅろす。
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