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Accesses The Reality Cruelty
VSバルハルト
「……く……ぁ……」
 体が動かない。激しい目眩も襲いかかってきて、どうやっても立ち上がれない
内蔵を抉られるような痛みは多少和らいではいるが、まだ続いていた
「……お疲れさま」
 ふざ……けんな……
まだ俺は……こいつに一撃も与えてない
「レベルオプ「レストリクション」」
 言葉を紡ごうとしたが、急に拘束されたように体が動かなくなった
「……哀れだよ。あんたはどんなときも楽しそうで鬱陶しかったのに、今はそれが欠片も残ってない」
 うるさい……
そう言うこともできずに、俺はただ地面に突っ伏して敗北を噛みしめていた


「アイスクロー!」
 急に真横から現れた炎球を引き裂き、地面に着地したバルハルトを見つめる
「なかなか強いですね」
「お世辞でも嬉しいよ」
 そう言って、右足で地面を二回つつく
「パートナーファース」
 合図と同時に後ろからリリィの声が響いて、ボクはバルハルトの真後ろへ瞬間移動した
「サンダークロー!」
 バルハルトを引き裂く……はずだったが、引き裂いたバルハルトは波紋が広がるようにして消えた
幻影だと理解した瞬間、上空へ跳び上がる
 その瞬間、ボクが元いた場所が急に爆発し、地面を削った
着地して上を見上げると、バルハルトが浮いていた
「よく避けられましたね」
「そういう気配がしたからね」
 再び右足で地面を二回叩く
「パートナーファース」

 ……リリィには、特殊な力があった
MPが無限にある、という反則気味の力で、リョウスケはそれをデータスキルと呼んでいた
 それにより、MPを多大消費する魔法でも上限なく使えることができる
右足で二回地面を叩くのは、瞬間移動の合図だ
……けれど、さっきからまったくバルハルトに攻撃が当たらない

 今度はバルハルトの真上に瞬間移動し、右爪を構える
「サンダー」
 しかしまるで現れるのがわかっていたかのように四方八方から電撃が襲いかかってきた
攻撃を中断し、リリィに目を向ける
「パートナーファース」
 リリィの横に瞬間移動し、上空を見上げる
100ほどの魔法陣が空に展開されていて、それぞれかなり強力な電撃を放っていた
 ……単なる低級の電撃魔法でも、これほどの……
「……強いね」
 ボクは、リリィにそう呟く
「うん、凄く強い」
 と、リリィが右手をあげた
「次は私が戦う」
「じゃあ、ボクがリリィを守るよ」


「雨……」
 空を見上げて、私はそう呟く
「雨の日に馬を使うのは危ないが……今は緊急自体だ」
 エノリークから連れてきた馬の二頭を一瞥し、コウタが言った
馬車は宿にそのまま置いてきたので、馬だけだ
 コウタとセイスが一頭、ルーと私がもう一頭に乗る
「行くぞ、一刻も早く霊介たちを止める」
 コウタはそう言って、馬を走らせた

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