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Accesses The Reality Cruelty
戦闘の始まり
「……見えてきたな」
 雷も鳴り始めた雨の中、遠くの方に目的地である、森のような広さの林が見えてきた
昨日も来た場所だ
『来ましたね』
 頭に直接響きわたるかのような、声
「戦線布告通り、来たよ」
 そう呟いて、テイルから跳び降りる
うまく着地して、足を止めた螢に並ぶ
「……」
 遠くのほう。小さな人影が、林の手前に見える
それにゆっくり、近づく
「……戦争、始めましょうか?」
 その人影は雨に遮られていても、神秘の光を纏っているかのように鮮明に見えてきた
「お前を殺す」
 一言、それだけ答える
 ……クゥはいない
「いいでしょう。では、戦うとしましょうか」
 その言葉も聞き終わらないうちに、俺は走り出した
すぐにバルハルトの10mほど前までたどり着き、両手に小刀を構えた
 衝撃波を放つ準備をする
小刀の柄同士を繋げ、上段に構える
それを激しく回転させながら振り下ろした
 黒白の円形の衝撃波が放たれ、メル・バルハルトに襲いかかる
 が、
「フレイムブレイズ」
 それを防いだのは、バルハルトではなかった
バルハルトの少し左側から高圧の炎が放射され、衝撃波を受け止め、消した
 かなり大きな炎で、地面や雨までもを焼いて蒸発させる
一瞬光蛇かと思ったが、あいつはこんな強力な魔法は使えない
「誰だ」
 後ろから螢たちが声をかけてくるのがわかるが、今は無視する
「久しぶりね、変態」
 林から姿を表したそいつは……
「……お、お前は……!?」
 などと思わせぶりに言ってみるが、こんなやつ知らん
 忘れた。誰こいつ
「レミリナさん、ありがとうございました」
 バルハルトの言葉で、思い出す
あぁ、あの白衣魔王(仮)か
「……」
 すぐに落ち着きを取り戻し、レミリナを見据える
「邪魔するなら、容赦しない」
「望むところ! この私が負けるなんてありえない」
 ……出来損ないと言えど、魔王は魔王
油断すればやられる
「神獣を殺すなんて、私がさせない」
「お前にはわからないよ、俺たちの決意は」
 繋げていた柄を元に戻して、構え直す
「魔王なんかに、俺は止められない」
「大した自信だね!」
 そう言い切った瞬間、俺たちは同時に戦闘を開始した


「……」
 目の前で、雇った用心棒と黒衣の少年が戦闘を開始する
……多少本物に劣るとしても、ただの人間では魔王と互角に戦えるはずがない
 だけど……この少年には、何か不思議なものを感じている
この二人の心は、読めない
 純粋ではないのだ、二人とも
「……では私は、あちらの軍団の方々を相手するとしましょう」
 私は、飛ぶ
思った通りに、勝手に魔法が展開されて浮く
「……一万人弱と言ったところですか」
 しかも、平均のLvも高いと見える
私が目を閉じ神経を集中させると、私の周囲に十,百,千……三千の魔法陣が形成された
 私は、言う
「モンスターズレクイエム」
 言い切ると、三千の魔法陣のそれぞれから無数のモンスターたちが召還され、地へと落ちる
「このくらいでいいでしょうか?」
 もう少し召還するか考えた直後、何かが高位の魔法を使ったのを感じる
「瞬間移動の魔法、ですか」
 と、突如目の前にエミアという名の少女が出現した
両手の爪装備は、かなり強力なもののようだ
だが魔法を唱えたのはこの少女ではない
 サポート系の瞬間移動魔法……
「ヴィズナクロー」
 エミアという少女の攻撃と共に、私も戦闘を開始した

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あきゅろす。
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