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Accesses The Reality Cruelty
VSフェル
俺が作ったオリジナルガンスキルは、いくつかの銃の効果を模倣して作りあげたものだ
 ホーミング=スナイパーライフル
 グレネード=ミサイルランチャー
実はまだ他にもある
 フルオート=マシンガン(サブマシンガン)
DEはフルオートじゃないけど、これで切り替えられる
 ショットシェル=ショットガン
一時的に弾丸が散弾になり、範囲攻撃に特化する
 この4つのスキルは同時には使えない
例えば……ホーミングで100発100中の弾丸をグレネードで爆発させるとか
ショットシェルの散弾をフルオートで撃ち出すとか
 そんなことはできない。ひとつずつ使うしかない

「ここ、表じゃなくね?」
 連れ出された場所は、洞窟内の広場だった
ここならDEが使えるけど……今回はやめとこう
 使えないバトルに慣れたほうがいいし
「雨の中で戦ったら風邪引くだろ」
「どっちにしても、今日は雨の中でバルハルトと戦うことになるけど」
「なら理由を変える。雨の日は装備の耐久度が下がりやすいから」
「へえ」
 そんな会話をしながら、デュエルの設定を開始する
やり方なんて覚えてなかったけど、半ば勘でいろいろやったらできた
 デュエル開始一分前の表示が出る
「ホントにやんの?」
「当たり前だ」
 もう諦めたほうがいいな
今回は先に相手のHPを半減させたほうが勝利になる
「Lv35のニンジャだ」
「ん……あー、Lv不明のシーフ(仮)」
「ふざけてるのか?」
「よく言われます」
 デュエル開始20秒前
俺は黒い方の小刀を右手に、白い方を左手に構える
 デュエル開始15秒前
目を細め、視界を一点に集中する
周りの雑音(ほとんどなかったけど)を頭の中から消し去り、無駄な思考を全てシャットダウンする
 デュエル開始10秒前
レベルオプションみたいな大技は避けたほうがいい
いまから疲労してバルハルト戦のときにうまく戦えないのはマズいからな
 デュエル開始5秒前
「そんじゃ、さっそく」
 足に力を入れ、スタートダッシュの準備
そしてタイマーが0になった瞬間に、AGI任せのダッシュを繰り出した

 フェルはもう黒装束姿で、戦闘準備万端と言ったところだ
武器はクナイ。しかも防具のあちこちに仕込んでるっぽい
「シャドークローン」
 とフェルが呟くと、何人ものフェルがいきなり出現して俺を囲む
「影分身?」
「安心しろ。全員実体だ」
 全員同時に言われた
「それやばくね?」
「そうでもないな。どうせお前はここでやられる」
 と、全員一斉に襲いかかってくる
「タイムロック」『認証しました。スキルを発動します』
 俺は時間を止め、両手の刃を体ごと回転させて、周りのやつら全員を斬り裂く
時間が元に戻ると、全ての分身が消えた
「あれ? 全部消え……」
 と言いかけたところで、何かが後頭部に直撃して倒れる
たぶん、あれだ。本体はジャンプして俺を蹴ったんだろう
立ち上がるより早く、首にクナイをかけられる
「チェックメイトだ」
「そうでもな……」
「そうじゃない。チェックメイトというのはスキルだ。首に刃物を突き刺せば100%死なすという即死攻撃」
「……あー、なるほど」
 DEにも、ヘッドショットっつう特殊効果があるしな
そしてこの首にクナイをかけられた状態は、死ぬ一歩前……か
「こんなんじゃバルハルトには勝てないな」
「……まだ終わらない」
「いや、首に突きつけられた時点で勝負は「まだだ」」
 俺はもう負けない。負けるわけにはいかない
 そう、決めた。そうならなきゃいけない気がする
「まだ、終わらせない」
 俺はコールネス、と呟いた
『認証しました。スキルを発動します』

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