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Accesses The Reality Cruelty
東の池

街の入り口から100m東にある草原。そこで俺の隣に立って?いる怪鳥ことテイルに、俺は話しかける
「で、東の池ってどこよ」
「グオゥオオ(東にある)」
「んなのわかってる。東のどこよ」
「グゥオゥオオ?(飛べばわかるぞ?)」
「飛べるか!」
「グゥオゥ。オオグゥオ(まったく、方向音痴のバカが)」
「黙れ尻尾」
「グゥオゥオ(しかたない)。グゥオオオ!(ついてこい!)」
 テイルはそう言うと翼を羽ばたかせ、そのまま飛んで東へ……って
「おい、乗せろよ!」
「グゥオ(走れ)」
 こんのクソ鳥が……焼き鳥にしてやる
「スプリング」『認証しました。スキルを発動します』
 これはテイルに乗りやすくために開発したもので、ジャンプ力が10倍になる
それから読者、今から12回ジャンプしろ
 なぜかこのスキル一回のジャンプに、ジャンプ連続12回分疲れる
なぜ10でも15でもないのかはしらん。10回以上疲れるし15回ほども疲れない
とにかく俺はそれを使い、飛び上がったテイルへと追いつくためにジャンプする
「グゥオ!?(高っ!)」
「一発いくぞ」
「グゥオオオ!(させるか!)」
 と、テイルは翼で風を起こして俺を吹き飛ばそうとする
だけど、まだまだだ
「スプリング」『認証しました。スキルを発動します』
 実はこれ、発動直後のときだけ空中ジャンプができる
というわけでそれを使いテイルの背中に着地
「グゥオゥ……(くそぅ……)」
「さて、羽を何本か抜き取ってやるか」

 テイルが凄い謝ってきたのでとりあえず許してやり、そのまま飛んで東の池を目指す
そーいや、もう夕方だな。まだ昼ご飯食べてないぞ
 ……いや、食べないでおこう
この決断をした俺への、ささやかな罰だ
「グオゥオオ(見えてきたぞ)」
「あいよ」
 そんじゃ、釣りの準備でもしときますか

 東にあった無駄にばか広い林の入り口から50mほど先、そこに池はあった
 俺たちはそこに降りて、俺はアイテムウィンドウから買ってきた釣り道具を取り出す
が、そこで
「……グォウ(……霊介)」
「あん?」
「グゥオゥオオ(やっぱり釣りは中止だ)。オゥグオゥオ(ギルドに戻ったほうがいい)」
「どういう」
 ことだ? と言おうとしたところで、俺もそれに気づく
とてつもなく不快な感覚。まるでボスモン『カカシ』の気配を何十倍にも上げて圧縮したような……
「……おいテイル」
「グゥオ?(どうした?)グゥオゥオ(早く帰るぞ)」
「いや……確かめたいことがある。テイル、お前今からもう何も考えるな」
「グオ?(は?)」
「いいから考えるな。できないなら気絶させる」
「グ、グオゥ(わ、わかった)」
 ……林の葉が風に揺られて重なる音を聞くこと30秒。その音に変化が訪れた
たった一瞬。落ちた茎を踏み、割ってしまったかのような音
「そこだ」
 俺はすぐさまDEを取り出し、音源へ向けて発砲する

 ガゥンッッッ!!

 いい加減慣れてきた銃声を聞きながら、俺は言う
「バルハルトは趣味が悪いな。覗き見なんてよ」
「グオ……オゥオ?(バル……ハルト?)」
「いるんだろ? 出てこいよ。気配がまる出しだ」
「……鋭い人間ですね」
 と、そこから出てきたのは……
「やっぱり、化けるのが得意ってホントなんだな」
 まるでクゥの尻尾と耳を無くしてそのまま成長したような、不思議な女性(の姿を借りたキツネ)だった

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あきゅろす。
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