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Accesses The Reality Cruelty
残敵始末
「……」
 俺は光蛇が倒れ伏したのを確認し、左手を下げた
光蛇が気を失ったことで上空でテイルと戦闘中だった暑苦しい怪鳥も消えた
「お疲れさん」
 そう言いながら光蛇の横を通り抜け、地面に刺さってた二つ刃の武器も取り戻す
DEを含め、それらを全て鞘に納めた頃にテイルが戻ってくる
「お疲れ。もう休んでいいぞー」
「グゥオオオオ(魚はいつ、くれるんだ?)」
「このバトルが終わったら、だな」
「グゥゥオオオオオ!(ソウルフィッシュが食べたい!)」
「どこに売ってんの、それ」
「グゥオオオ(東の池で釣れる)」
「いや、俺は『買ってやる』って言ったんだが」
「グゥウオ(細かいことは気にしない)」
「……ったく、しかたないな」
 なんかよくわからんけど、俺はモンスターの言葉がわかるようになったらしい
別にそんな兆しはなかったんだけど、細かいことは気にしない
「さて」
 あとは軽く観戦でもしようかな
……いや、そんな悪趣味なことはやめるか
 俺が倒す。そうしなくちゃいけない。それしか、許されない気がする
「……ゆるされなくても、やらなきゃいけないけどな」
 全てを守りたいなんて言っておきながら、こんなことをしてる
まったく俺は……とことん主人公には向いてないな
 元々勇者の仲間で、途中で裏切ったけど結局死ぬパターンだろうな
「それでもいいさ」
 俺は、自分で決めたことをやるだけだ
「さて」
 あと何人残ってる?
セイスはもうこっちに捕まってるな
 ……あの二人はまだしぶとく戦ってるみたいだ
特にノア。あいつは厄介だな
「……タイムロック」『認証しました。スキルを発動します』
 時間を止め、その間に俺はノアに接近する
「っ!」
時間が動き出した瞬間、ノアがこちらに気づく
「レベルオプション」『認証しました』
「バースヴィズナ!」
 迫る大きな黒い球体をデータスキルで取り込みながら、続きを言う
「Lv100、INT特化、制限時間1秒」『スキルを発動します』
 レベルオプションが発動してすぐ、右手をノアに突きつける
光蛇にやったのと同じ要領だ
 バースヴィズナを、相手に返す
Lv100の力も混ぜて
「バースヴィズナ」
 呟き右手から黒い大球を出現させる
ノアは避けられず、それを食らう
「お疲れさん」
 光蛇と同じようにそう言い放ち、残った最後の一人へと目を向ける
「……疲れたな」
 今日はぐっすり眠りたい……
でも釣りしなきゃいけないしな……はぁ
「そんじゃ、最後の仕上げといきますか」
 気を取り直して、俺はホルスターからDEを抜き取る
「ホーミング」『認証しました。スキルを発動します』

 ガゥンッッ!!

 ルーちゃんへ向けて、弾丸を放つ
「っ! プロテクター!」
 しかし直前で気づかれてたっぽく、弾丸はガードされる
「へえ」
……あの技で、DEの銃撃を止められるのか
 前は止められなかったのにな
「だけど」
 手加減をする気はない

 ガガガガガガゥゥンッッッ!!!

 何度も連発をし続け、そのプロテクターを無理矢理壊し尽くす
もちろんそんなものに耐えられるわけもなく、ルーちゃんはその場に崩れ落ちた
「……なんだ、俺、以外と強かったんだな」
 三人とも、倒した
「フェル!」
「なんだ、こいつら全員、殺すのか?」
「いいや。こいつら全員、牢に入れちゃって。武器は取り上げといて」
「防具は?」
「裸にするつもりか、お前」
「……わかった、言うとおりにしてやる」
「どーも」
「それはそうと」
「ん」
「奢ってくれるって言ってたよな」
「ち、覚えてたか」
「当たり前だ」
「ま、今は無理。今から釣り行かないと」
さぁ、池にでも行こうかな

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