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Accesses The Reality Cruelty
新たな仲間
結局あの後、光蛇のおかげで簡単に決着がついた
HPを1/10くらいまで簡単に減らして、降参させてた
 ……俺の活躍って、なんだったんだ?

クゥを狙ってきたロリコン達を宿へと縄を縛って運び、光蛇は奴らへ事情聴取へ入った
俺はそんなめんどくさいこと興味ないし、走って疲れたので速攻でベットへ横になった
そして寝ることに勤めようとしていると、クゥが声をかけてきた
「リョウスケさん」
「ん?」
「そのぅ……」
なんか、顔を赤くしてもじもじしている
なにこれ? なんかのイベント?
「ありがとう、ございました」
期待した俺がバカだった。ただのお礼の言葉だ
「俺はほとんど役立ってないよ。あいつらをとっちめたのは光蛇の……」
しかしそんな俺の言葉を遮って、クゥは言う
「いえ。私は、あなたにお礼が言いたいんです」
「どーして?」
「どうしてもです」
「そーっすか」
「そうです」
そんなやり取りの後、クゥが今度は重い口調で話し始めた
「私は、半人間で半モンスターです」
「知ってるよ」
「父親は誰かわかりませんけど、母親は可愛いキツネさんなんです」
「それは知らない」
キツネの耳とキツネの尻尾だったのか、それって
「半人間なので……私はモンスターには人間と判断され、よく襲われてしまいます」
「ふーん」
「半モンスターなので……人間達からは、モンスターと判断されて襲われます」
「へー」
「それに人間を殺すと、その人は多大な経験値が得られるみたいなんです。その場合、罪を犯すことになりますが……私は人間でありモンスターなので、罪なんてなく多大な経験値を得られます。だから、みんながみんな、私を仕切りに狙ってくるんです……その三人の方々も、私を狙ってきた人たちなんです」
「そっすか」
「そうです」
「そうなんすか」
「そうなんです」
……まったく、通じないなぁ
俺の話を聞かない態度も、こいつは全然平気……ってか
「……大丈夫だ」
しかたなく起きあがって、俺はクゥの頭を撫でる
「俺はお前を見捨てない。俺はお前を誰からも助けてみせる。そう、俺は決めた。理由も必要か? 理由は……」
と言おうとしたところで「いいです」とクゥは遮った
「その言葉だけで、十分です」
「そーかい」
「はい」
「……まったく」
しかたがない。もうこんなこと約束しちゃったら、こうするしかないだろう
「光蛇」
俺は友人の名を呼ぶ
「なんだ」
「こいつ、仲間にするぞ」
クゥを指さして、俺は言った
「……本気か?」
「もちろんだ」
「よ、よろしくお願いします」
クゥ自身も頼んでいたが、こいつは頭が堅く、うーんと唸っていた
少し、フォローしてやるか
「クゥは、モンスターウィザードだ。いいか? ウィザードだぞ? 魔法使いだぞ? パーティバランスが取れて良いじゃないか」
こんなフォローでいいか
そう俺が言うと、さすがに光蛇も首を縦に振り許可を出した
そして再び、あの三人から事情聴取を開始した
「よかったな。これで、晴れて仲間だ」
「はい! そうです、改めて自己紹介をしておきます!」
尻尾を振りながら、クゥは言う
確かこれって、動物が楽しいと感じているときの反応だっけ
「クゥ・バルハルト。Lv6のモンスターウィザードです」
「青柳霊介。各種ステータスは……まあいつか教える」
クゥは初め、不思議そうに感じる顔をしていたが、すぐに元に戻って、今度は光蛇に向く
そうくるとわかっていたようで、光蛇は簡単に答えた
「香川光蛇。Lv38のフレイムバスターだ」



















そうして俺たちの新たな仲間が、加わったのであった


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あきゅろす。
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