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Accesses The Reality Cruelty
間違い
「霊介……」
「……はは」
 どういう……ことだ
わからない。どうして霊介が……
「……なるほど。だからクゥさんはあんなに取り乱していたんですね……あなたが、そちら側についたから」
 その言葉に呼応するように、霊介と怪鳥の周りに大勢の黒装束が姿を表す
「フェル、このことは……」
「わかっている。団長にも、副団長にも話さない」
「……助かるよ」
「お前のためじゃないけどな。邪魔者は、早めに取り除かないといけない」
 ……そういう、ことか
お前は……
「どうして、お前が……」
 敵になるのか……俺たちの……
「……クゥは、やっぱりいないみたいだな」
「やっぱり?」
「俺の心、読まれてたんだろ?」
 ……知っているのか
知っていて……それでいてお前は……
「バルハルトを、殺すつもりですか」
「……あぁ、そうだよ」
「……たった一匹しかいない狐の神獣を……クゥさんの、母親を」
「殺すよ」
 淡々と、霊介は言う
「クゥの気持ちが、お前にはわからないのか!?」
「わかるよ」
「それでいて、どうしてお前は……!!」
「光蛇には……いや、お前ら全員には、関係ない。話す必要もない」
「霊介ぇ……!!」
「黙れよ、光蛇」

 ガゥンッッッ!!

「っ!」
 俺の頬を掠めて、銃弾は床へと衝突した
「リョウスケ……」
「……」
 もう一度霊介はDEを持ち上げ、ルーさんに狙いを定めた
「どうして……あなたが……どうして……」
 ……泣いていた
それに何も動じず、あいつは引き金を……
「っ!」
俺は即座にルーさんに走りより、その体を押す
するとルーさんが元いた位置を銃弾がすり抜けていった
「本気、なのか……」
「あぁ、正気だよ」
 と、霊介はノアさんを見た
「どうだい? ノアも、俺といっしょにこっちへ来ないか?」
「……友達の間違いを正すのも、友達の役目」
「……間違い、ねぇ」
「あなたがそちらにいることが、そう」
「……はは。なら、俺はそっちに行けばよかったのか?」
「そう」
「……ふざけるなよ」
「ふざけてなんか……」
「ただ妹の泣き顔を、黙って見てろって言うのかよ」
「っ……」
 ノアさんが言葉に詰まり、何も言えなくなる
「霊介……お前……」
「はは……フェル」
「待ちくたびれたな」
「悪い悪い。後でなんか奢るから。そんじゃ……」
と、霊介が俺たち全員を見渡す
「バトル、始めようか」
 霊介のその言葉と共に怪鳥が空へと飛び上がり、黒装束たちは武器を構える
「……みんな」
 俺は三人を見渡して、静かに告げる
「……行くぞ」
 霊介を、連れ戻す

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