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Accesses The Reality Cruelty
平均Lv
 マンホールという穴から外に出て、私は影の中に入れておいた4人を解き放つ
シャドーもしまい、麻痺の効果が切れるのを待つこと1分後、まずコウタが立ち上がった
「助かった、ありがとう」
 そして気絶しているクゥを縛っている縄を解き始めた
次にセイス、ルーと立ち上がる
「油断していましたね」
「早くリョウスケを迎えに行かないと」
「……リョウスケなら、マーキングしてある。まだ、私たちが最後にいた、あの場所にいるみたい」
「……やはり便利ですね。今は他にどこをマークしてあるんですか?」
「リョウスケ以外には、クゥだけ。あとはもうマークしてない」
「そうですか。私もそういう魔法が欲しいですね」
「セイスは魔法使いだから、Lv40くらいで覚えると思う」
「まだまだですね」
「そういえばセイスさんって、何レベなの?」
 ルーが聞く
「19です」
「弱い」
 私は率直な感想を述べたのだけど、セイスとルーは首をふる
「弱くはないよ。20歳未満でLv15以上なら強いほうだよ」
「あなたたちが強すぎるだけですよ」
 よくわからない。ずっとリビングデッドにいたから、感覚が鈍ってるのかもしれない
あそこは平均レベルが25~35で、幹部なら40以上だ。確かリノは、53くらいだった気がする
というか、あまり周りと関わってこなかった私としては、常識のLvがわからないのは当然かもしれない
「そうなのか?」
 と、そう言ったのは意外にも縄を解き終わったコウタだった
「てっきり35くらいが平均だと思ってたが……」
「高すぎです」
「うん、高い。私やエヴィ隊長も、兵士だから平均より高かったんだよ。他の隊員も平均が25か30くらいだから」
「そうなのか……俺の初期レベルが38だったから、35くらいが平均だと思ってたんだが……」
 コウタが後半に言っていることの意味がよくわからない。ルーたちも同じようで、首を傾げている
と、コウタが私たちの反応を見て何か言おうとした瞬間、クゥが起きあがった
「は……離し……て……? あれ? ここはどこですか?」
「起きたか」
「コウタさん? あれ? みんないますね……」
「リョウスケは、いない」
「……リョウスケさんは、下ですか」
「よくわかりましたね」
セイスが言う
 もう穴は閉じてあるのに、どうしてわかったんだろう
「リョウスケさんのことなら、バルハル……ト……の…………」
 と、クゥの声が萎んでいく
元気もなくなって、悲しむような表情になった
「……クゥ……?」
 急にどうしたんだろう
「……」
 クゥが何も言わずに虚空を見つめる中、私たちはなにもわからずに立ちすくしていた

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あきゅろす。
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