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Accesses The Reality Cruelty
遊びスキル
 気がつけば、クゥを押さえていた黒装束が一人になっていた
……いや、その一人が他の黒装束を倒したみたいだ
「おま「タイムロック」」
 フェルの言葉を無視して、彼はそう呟く
そして気づけば、クゥの首にかけられていたクナイはどこかへ弾き飛んでいた
 ……この感覚には、覚えがある
「なっ!?」
「タイムロック」
と、次の瞬間にはフェルは少し離れた場所へ飛ばされていて、おかしな鉄の塊の穴が開いた部分がこちらに向けられていた
「ホーミング」

 ガゥンガガガゥンッッッ!!

 と、突如大きな音が響いたときには、私に迫っていた黒装束とコウタたちを押さえていた黒装束共がその場に倒れ伏した
「……なんだ、いまのは……!」
 フェルは立ち上がりながら、そう言う
「ふぅ、タイミングバッチリ……かな?」
 と、その周りの全員をけちらした黒装束は頭の黒い被り物を取る
その顔はもちろん……
「リョウスケ!」
「お前……あの時の!」
「うぁー……涼しー。これ暑すぎだって。もうちょっとこっちのことも考えてよ」
「ど……どうしてお前が……その表示されている名前は……!? どういうことだ!?」
 と、言われて気づく
リョウスケの頭上には、なぜか『ザクロ』と表示されていた
「ん、まー親切に説明してやると……オリジナルスキル《ネームエディット》。自分の名前を変えることができる。とりあえず、倒した黒い忍者さんの名前と装備をパクらせてもらった」
 ……相変わらず、見たことも聞いたこともない不思議なスキルを使う
「そん……な……そんな技が、あるわけ……」
「ねーよ。なんだよ、名前変えるだけって。そんなスキルはホンッッッッットいらねー」
 ……無いの?
「まーそんなんどーでもいーや。とりあえず、俺はこいつの相手してるから。ノアはその全員担いで逃げてくだせー」
 相変わらず適当な言い方だけど、声は真剣だ
「わかった」
 私は従って、始めにルーを担ぐ
……担ごうと思ったけど、力が足りなかった
「……」
 どうしよう
……そうだ、召還魔法を使おう
「ダークモンスターLv4」
 そう言って、シャドーというモンスターを召還する
シャドーには、影に隠れる能力がある
 というわけで、私の影に四人をそのまま入れてもらい、私は振り返りながらも来た道を戻っていくことにした


 いやー、まさかこのスキルを使う日が来るとはさすがに思わなかった
もろ遊びで作ったスキルだったんだけど……役に立ってよかったー
「あー、ちょっとタンマ」
「は?」
「ネームエディット」『認証しました。スキルを発動します』
 で、名前を元に戻して……
「ウィンドウ」
 アイテム→装備品→お気に入り→お気に入り登録名『いつもの・改』→装備変更完了
「よし」
 これで装備も元に戻した
変装する前にお気に入りに登録しといてよかったな
「そんじゃ、時間稼ぎでもしますか」
 なんか、部屋の奥の方からもたくさん黒装束がこっち向かって走ってきてた
「覚悟しろ」
 マジで待っててくれてた。敵ながら天晴れ……ってか
「ん、じゃ、バトルスタート!」

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あきゅろす。
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