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Accesses The Reality Cruelty
世界観の違う武器
「なぜバレたんだ……」
そう呟きながら走っていると、クゥはおびえながらも
「あんなところでは見つかるのはあたりまえです……」
と言った
「マジすか」
「はい」
まあ、隠れるとこ無かったしな
「待ちなさい!」
ん、あいつらちゃんと入り口から出て来やがった。行儀が良い奴らだ。ちょっと気に入った
「さて、入り組んだ道でも入っていきますか」
そう言うと、俺は家と家の間という狭い空間を選んで進んでいった(村だからそんなに多くない)
そして3つ目のところを抜けようとしたら
「行き止まりか……」
振り返って戻ろうとしたが、もう目の前にはシーフのメイちゃんが居た
さすが本場シーフ。足速いな
後ろの方からもセイス、戦士みたいな男という順で追ってくる
「観念しなさい」
「嫌だね」
俺にしては真面目な返答だ、と自分で思ってしまった
まあつまり、俺が考えているほど余裕がないってのを、体がわかっているのかもな
俺は行き止まりの方の壁へ背中を付けて、メイちゃんの方を見る
自分からは動かずに道を塞いでいるだけで、どうやら後ろの二人を待っているようだった
そして二人が来た後、その三人はゆっくりとこちらへ詰め寄ってきた
(どうする? あの昨日作った最強スキルを使って切り抜けるか? ……いや、あれは奥の手だ。そう簡単には使えない。と、すれば頼りなのは……短剣とは違う、俺の反則武器だ)
そう思い、俺はそれを使い安くするためにクゥを地面に下ろした
「その化け物をこちらに渡してくれれば、危害は加えない。大人しく渡してくれないか?」
「人間ってのは欲望にまみれた世界で一番汚い生物なんでね。そんな奴にこいつは渡せない」
 かっこよさげに言ってみる。もちろん適当に言っただけ
「お前も、人間だろう」
「残念ながら俺の欲望はこいつには向いていない。だからお前に渡すよりはよっぽどマシってわけだ」
「屁理屈を」
そんな会話をしながらも奴らはこちらに迫ってくる
そんな空気に耐えかねたのか、クゥが突然叫びだした
「もういいですから……私に関わらなければ、私を手放せばあなたもあの人たちも助かります! 一石二鳥じゃないですか! だから……もう、私のことなんてほっといてくれていいんです、リョウスケさん……」
あぁ……俺の頭上には、そう表示されてるのか
場違いに、俺はそんなことを考えていた
だけど、体はいたって真面目な言葉を吐いた
「ふざけんなっ! 一石二鳥? お前が不幸になったら一鳥減るし、俺の気が晴れない。つまり一石零鳥だ。不幸しか訪れないんだよ、そんな選択!」
そう叫び返し、俺は懐へ手を入れた
それを不審に思ったのか、あいつら三人の内、戦士の奴が走り込んでくる
「俺はお前を守る! そう決めた! 理由も言って欲しいか? それは……」
叫びながら、俺はその武器を取り出した
 手に持つのは、不思議な形をした、鉄の塊
「お前が、苦しんでいるからだ!」
「……っ!!」
俺はその塊の、穴が開いた部分を戦士の奴に向ける
残り、3m弱
これだけ近いのなら、初めてでも当たるだろう
「くらえ!!」
セーフティを外し、俺はその引き金と呼ばれる部分を引いた
 ガゥンッッッッ!!
重く、強く、圧倒的に速い鉄の塊が穴から飛び出した
その塊は余裕で鎧を貫通し、相手の腹を撃ち抜いた
そう、これは銃だ。しかも世界最大の拳銃、DE(デザートイーグル)
「なん……だ……これ……は……」
あまりの世界観の違う圧倒的な攻撃に、戦士の男が剣を取りこぼし、地面に膝をついた
「大丈夫か、霊介!」
そして同時に、光蛇が助けに来てくれていた

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