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Limitless Conflict
戦い
無駄な話を挟みながらも、会話は順調に進んでいった
「簡単に説明すると、私や君のように不思議な血を持つ人たちが代表に争いあってる……ということかな」
「具体的に頼む」
「そうね。例えば、私は銃を持ってたよね」
「うん」
「あれはいつ狙われても良いように……という意図があって持っているの」
「いつ狙われても良い!? なら僕が」
「近寄るな変態が」
再び私はドMメガネの股間を蹴りつけた
「……続き頼む」
薄兎君は変態メガネに哀れみのような視線を向けた後、こちらに向いて言った
「通常、敵はフィールド外での戦闘は好まないけど、時々襲ってくるんだ」
「フィールドって?」
「フィールドは、夜に展開される異空間のようなものだと考えてくれればいいよ。街全体に展開される」
「街全体……?」
「そう。だけど、フィールド内に入れる誰かに許可を貰わないと、入ることはできない」
「なるほど」
納得してくれたようなので、私は話を続けた
「細かいことは省くけど、とにかく私はあなたみたいな強力な血を持つ人間に手伝って貰いたいと思っているの」
「手伝う……? 俺が……?」
「そう、街の戦いに」
「戦い……」
「死と隣合わせの、戦いよ」
「ちょっと待てよ」
会話を止めたのは、変態メガネだ
しかしその目には、冗談のひと欠片も感じられない
「薄兎に、戦場に来いって言うのか?」
「そう」
「報酬もなにもなく、ただの手助けのために生死をかけた戦いを?」
「そうだよ」
「ふざけ……」
メガネが言いかけた言葉を、私は遮る
「ふざけてなんかいない」
そう言って、私は薄兎を見る
「私が……いや、私たちが戦うのは、その争いの中に、守りたいものがあるから」
個人の楽しみもあるけど……
 というのは、伏せておく
「君にも、今はあるんでしょう?」
薄兎君に、問いかける
すると彼はドMメガネを一瞥し、頷く
「それに……君なら、罪と罰……そして残酷な現実がわかるはず……」
異質な血を持つ者は、必ず残酷な現実を突きつけられるから……
必ず罪を、背負ってしまうから……
「……お前も?」
薄兎君は、言った
それはきっと、自分と同じような苦しみを背負っているのか、ということなのだろう
「うん、私も」
「…………わかった、参加しよう」
「え、ちょ、薄兎?」
「俺は、罪を償いたい。死ぬのではなく、誰かを救って償いたいんだ」
「キザだぞ……」
「もちろん、お前を置いていくわけじゃないけどな」
「キタキタキタキタッ〜! 非現実な日常へレッツゴーだっっっ!」
表面上はあの変態メガネは喜んでいたが、二人の小声の会話が私には聞こえた
「本当に、いいのか?」
「あぁ、この力が罪を償うことに使えるのなら、こんなに嬉しいことはない」
「……そうか」
「ありがとな、親友」

「で」
薄兎君は、言う
「具体的なことは明日に話して貰うことにしても、今日のことはどうするんだ?」
「ツンデレな後輩キャラ以外にも美少女な仲間はいるのかな」
「私はツンデレじゃない」
「ツンツンしてるじゃないかっっっっ!!」
「デレてないっ!」
そう叫んで私は変態メガネの股間を蹴りつけた
「これからのことは、後でリーダーが教えてくれるよ」
「リーダー?」
「私たちの組織の、リーダー」
「組織! 美少女たくさんでお願いしますっっっ!!」
「うるさい!」
私は再び変態メガネの股間を蹴りつけた
 …………全力で
「ぐ……ぁぁぁぁ」
すると変態は倒れた
「……そのフィールドってのはいつ展開されるんだ?」
「あと5秒」
「は?」
「大丈夫だよ、二人とも許可してあるからフィールドに入れる」
言い終わった瞬間、世界が光に包まれた

[Before]

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あきゅろす。
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