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Limitless Conflict
不死
……5時間目だけじゃなく、6時間目までが終わってしまった……
私には話さなきゃいけないことがあったのに、6時間目が終わってしまった
もう、時間がない
この変態ドMメガネは除外したかったところだけど、もう悠長なことは言ってられない
だから私は、西に沈んでいく夕日を見つめてから、芝生に座っている二人に話を切り出した
「そろそろ話を、聞いて欲しいんだけど……」
私の微妙な表情の変化を感じたのか、ドMメガネはともかくとして薄兎と呼ばれる先輩は聞く気になってくれたようだった
「……わかった」
「美少女との会話なら、いつでも大丈夫っっっっ!!」
テンションが違いすぎる……
まぁ……いいや
「信じて欲しいんだけど、私もあなたと同じような血を持っている」
「……え?」
「えぇ!? まさかさっき薄兎から聞いたような殺人衝動のっっ!?」
さすがにこの一言には、変態メガネも驚きを見せたようだった
「私は、薄兎君みたいな危ない血じゃないけど、力は持っている」
「えっ!? その血って異能みたいなもんなの!? おぉぉぉ!! 異能は実在していたんだっっっっ!!」
うわ……メガネ、ウザッ
「……どんな力だ?」
薄兎君はドMメガネは無視するつもりのようなので、私も無視して話を続けた
「私の力は、人類の願い。望み。願望の果て」
「もったいつけずに教えてくれっっっ!!」
黙れ変態メガネ
と心で毒づきながらも、私は続けた
「人類全てが望む力……不死」
「……え……?」
さすがのメガネも、目を見開いて動きを止めた
「まあ、不老じゃないけどね」
「不死……?」
さすがにそれは受け入れ難いのか、薄兎君は頭を抱えた
「待て……それは理論的には説明がつくのか……? 俺の血は取り出さないとわからないが……少なくとも、現実性はあるはずだ」
「赤ちゃんの状態から母親のお腹を無理矢理破けるような力は、果たして現実性があるのかしら?」
「それは……」
「なんなら、試してみようかな?」
そう言って私は、制服の内側から銃を取り出して見せた
さすがのそれに、二人は驚く
薄兎君は血の力が発動しかけたのか、彼から少しだけ殺意が漏れだしたのを感じた
変態ドMメガネは頭を抱えて丸まると思いきや、一歩前に踏み出して薄兎君を守る姿勢を取った
「大丈夫、あなたたちは撃たないから」
そう言って私は自分の頭を銃口を向け、引き金を……
「待て」
引きかけたところで、薄兎君は止めた
「もう十分だ。信じる」
「見ないと信じられないんじゃない?」
「そんな行動が取れるってことは、不死は事実だってことだ」
「……そう」
そう返して、私は銃をしまう
「学園バトルフラグだっっっ!!」
思い空気も読まず、ドMメガネは叫んだ
まあ、少しあってるけど
「残念ながら、学園バトルじゃないのよね。しいて言うなら、街バトルと言ったところかな」
「ネーミングセンスが良くないな」
そう言ったのは変態メガネ……ではなく、薄兎君だった
「そんなものどうでもいいんじゃ……」
「いいや、名前は大事だ。しっかり付けよう」
なぜこだわる……
「じゃあ、街戦」
「バトル付けよう」
「タウンバトル」
「リズムがダメだ」
「カサダバトル」
「トルコ語を混ぜるな」
よく知ってるわね……
「もう名前どうでもいいじゃん」
変態メガネは私と同意見のようだった
「え」
「うん、どうでもいい」
「……しかたないな」
そうして話は微妙な具合で進んでいった

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