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万引き。


ある日の夕方。

いつものように特売の品を抱えた主婦達でレジが混雑する時間。

私服で巡回中だった葛西の視界には、制服を着た女子高校生の姿。

美しい黒髪は背中まであり前髪は目にかかるくらいで揃えてある。

色白な肌に映える黒く美しい髪…大きな瞳…長いまつげ。

「人形みたいだな…」

と思ったと同時に少女の挙動が気になった。

さりげなく前を通り過ぎてみると、少女は小さなお菓子を数個手に持ったままレジの方を何度も見ている。

不審に思い少し離れた場所まで歩き少女の動きを眺めていると…

‐‐スッ…

少女はブレザーの内ポケットに手にしていたものを入れてしまった。

そしてレジの横を堂々と通って外へ出ていく女子高生。

少女を追って主婦達の波をかわしながら早歩きで外へと歩く葛西の顔はニヤついていた。

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あきゅろす。
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