いつもどおりの朝。
「ぉるぁっ起きろ遅刻すんだろっ」
毎朝兄和哉が妹の愛梨を起こし、バイクで中学校まで送るのが日課だ。
しかし…
「もぅちょっとぉ……」
いつものことだが愛梨は頭まで布団をかぶりもぞもぞしている。
「起・き・ろ」
バサァッ
「さむっ…」
突如、布団を剥ぎ取られた愛梨は咄嗟に体を丸める。
同時に和哉の視界に、なまめかしい妹の太ももが写りこんできた。
大きなトレーナー1枚から伸びるその白くなめらかな足に和哉は動揺したが
「…っ…そんな格好で寝てるからだろ…早く着替えてこいよな…」
赤くなりながらも、そそくさと部屋を出て行った。
「…むぅ…」
部屋に残された愛梨は目を擦り体を猫のように伸ばすと、ようやくベッドから降りた。
そしてトレーナーを脱ぎ、パンツ姿になると壁にかけてある制服へと手を伸ばす。
冬服の紺のセーラー、膝上丈の短めのスカート、赤いスカーフを結び通学カバンを持ってスタンドミラーの前でポーズを決める愛梨。
「まだかぁああ」
兄の声に肩をすくめると扉を開け、パタパタと階段を降りて洗面所へと向かった。
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