怒り。 「どうしたらいいと思う……」 「どうしたらって…お前…っ……相手誰だっ…」 和哉は 思わず愛梨の肩を掴み揺すった。 「きゃっ相手…」 「中だしされたのか」 嫉妬なのだろうか。 息が苦しくなるほどの 激しい怒りが込み上げてくる。 しかし愛梨は 兄に肩をつかまれたままキョトンとしていた。 「…中だしって…何…」 「…はぁっ…」 完全に拍子抜けする和哉。 「…赤ちゃんが…できたって意味じゃ…」 「えーっ違うょぉっ…っ…」 愛梨の赤かった頬が更に赤くなった。 肌が白いのでほっぺは林檎のようだ。 「愛梨……まだ…生理来たことないの……」 「そ…そんなことは…友達に相談しろよ…」 早とちりもあって 和哉も顔を赤らめうろたえながら言葉を返した。 まだ生理が来たことがない… 確かに背は低いが 胸の成長は人一倍早い… 「だって…みんな小学校の時に来てるって話聞いて知ってたから…言いにくくて……愛梨の体おかしいのかなぁって…」 妹なりに真剣に悩んでいたのだ。 [*前へ][次へ#] |