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公衆電話。

周りの人がみんなコッチをみてる。

はだけたセーラー服…
靴も履いてない…
髪はぐしゃぐしゃで叩かれて赤くなった頬…。

当たり前か。

でも恥ずかしいなんて言ってられない。


早く逃げなきゃ…


当時、携帯を持ってなかった
悠梨は公衆電話に駆け込んだ。

震える手で、まだ仕事のミィくんの携帯の番号を押していく。

プルルルル……プルルルル…

《早く出て…っ》

先輩が追いかけてくるかもしれない。


怖い。

早く…

早く…。








《…誰だ?》



「…ミィく…っ」

声を聞くだけで安心して
涙が溢れ出してきた。

《…悠梨かどぅした》」

「…助けて…っ」

《は

公衆電話の中、受話器を持ったままズルズルと座り込む。

汚れた靴下。

何か踏んだのか
血がにじんで紺色が濃くなっている。

《…今どこにいる

答えなきゃいけないのに…。

嗚咽が止まらない。

《おい泣いてたらわかんねえだろ今から迎えに行くから、ちゃんと言え

怒鳴られてビクッとした。

深呼吸をして…ゆっくり答える。

《わかった…行くから電話は切るなよ。》

ミィくんが来てくれるまでの間
財布に入ってた小銭を全部使った。

《大丈夫か?》

「うん……」

《もうすぐ着くから。》

「…うん。」

会話らしい会話はなくて、この繰り返し。

でも…心強かった。


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あきゅろす。
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