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命日。

ママの命日。

久しぶりに
家族全員がそろう日。

パパは女の人を連れてきた。


ずっと前から知ってた。

パパに彼女がいることくらぃ。

でも…

《…なんで…こんなに若い人なの…?》

ママはパパの10歳上だった。

だけど今、目の前でパパによりそってる人は、今のパパより10歳は若い。

実際に、14歳も年下らしい。
吐き気がした。

一番上のリョウ兄と4歳しか変わらないパパの彼女。

それだけならまだいい。

なんで今日なの?

ママの命日なんだよ?

パパが遅くまで帰ってこないから…
家族みんなが揃うなんてめったにないのに。

遅く帰ってくる原因は
若くてキレイなこの女。

悠梨は頭が
真っ白になっていった。

パパは死んだママを裏切った。

この女がママから、
私から…パパを奪ったんだ。

それは《私》が
幼かったゆえに思ったこと。

子供だった。

バカだった。

パパをとられることが…

ママの場所をとられることが…

私の居場所をとられることが…

怖かった。


気がつくと
女の人は泣いていた。

何を言ったのか

覚えてない…。

思ったこと
全てを吐き出していた。

それは結局
自分を追い詰めただけだった。

家族の冷たい視線。

頬をとめどなく流れる
生暖かい液体。

もぅ、こんな家にいたくなぃ…。

部屋に逃げこみ、声をあげて泣いた。

そんな妹を追いかけ部屋に入ってきた兄達。

慰められることゎなく
みんな口をそろえて、
母親になるかもしれない
若い女の味方をした。



自分の居場所は
もうここにはない。



次の日、学校に行ったまま家に帰らなかった。


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