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No.3

神威は咲夜の瞳に魅入っていた


相変わらず綺麗だな〜


押された状況だというのに
のんきにそんな事を思っていた


阿伏兎「おいお〜い珍しく押されてやがるぞ

しかしあの女化け物か?

あんなに激しい戦闘してるってのに
涼しい顔してやがる」


また子「ここでもし神威さんが負ければ
次はうちらってことっスよね?」


ゴクリとやっとの思いで唾を飲み込むまた子


また子だけではない

あらゆる戦場を勝ち抜いてきた阿伏兎でさえ
2人の激しい戦闘を
息をするのも忘れるほどに
緊迫した面持ちで見ていた


高杉「あの女の殺気凄まじいな

歴戦を勝ち抜いた神威をも
超えているように感じるぜ」



神威「ははっ本当に強いなぁ
立ち上がるのがやっとだよ」


咲夜は傘を構える手をおろした


咲夜「ふふ、神威強くなったね
私には敵わないけれども

一生ね」


冷たい瞳から一変し

優しい笑顔ではあるが
辛辣な言葉を神威に浴びせる


咲夜「今日はお前に
聞きたい事があってきたんだ

殺しにきたわけではないよ」


咲夜は笑顔で高杉へと近づく


また子「晋介さま!!
お下がり下さいっス!!!」


ガチャリっと拳銃を構える


高杉「やめとけ」


高杉がまた子の拳銃を手で制した


咲夜はまた子には目もくれず
高杉へと話かける


咲夜「あなたがこの船の隊長さん?
私はこの船を襲撃しに来たわけではないの

少し神威に用があってね
ついでにどのくらい強くなったのか
気になってしまったの」


ふふふと優しく笑った


船員達は一瞬にして咲夜の
美しい笑顔に心奪われるのだった


高杉「まぁ、知り合いなんだろうとは
思っていたが

強いねあんた」


咲夜「ふふ、私は咲夜

ねぇそこのあなた」


阿伏兎に向かって話かける


咲夜「あなたも夜兎ね
神威に手をかしてあげて」


阿伏兎「あ、ああ」


軽く返事をすると神威の元へと急ぐ



阿伏兎「お前さんほどの者でもやられるたぁ
あの咲夜って女はなんなんだぁ?

見た感じ夜兎みてぇだが」


神威「俺の憧れの人だよ

手出ししたら殺しちゃうゾ」


阿伏兎「おいおい〜、殺されかけたのは
お前さんの方だろ」


阿伏兎が引っ張り起こすと
神威はけろりと歩き始める


阿伏兎「なんだい重症かと思ったのによぉ」


神威「最後の一撃はさすがに効いたよ
だけど俺だって夜兎だ、すぐに回復するさ」


阿伏兎「へいへい」


神威と阿伏兎は咲夜の元へと行く


高杉「よぉ、思ったより
元気そうじゃねぇか」


神威「おかげ様で」


高杉「咲夜がお前さんと話があるって
言うんで部屋を用意させてるところだ」


神威「さすが高杉
誰かさんより気が利くね」


阿伏兎「おーい!
それは俺の事じゃねぇだろうな?!
このスットコドッコーイ」


神威「ははは、頼りにしてるよ阿伏兎

咲夜、部屋へ案内するよ行こうか」


咲夜「高杉、あなたもいらっしゃいよ
月見酒をしましょう」


そう言った瞬間

神威がニコニコ笑顔で高杉を見る

目の奥が笑っていないのが分かる・・・


高杉「こんな美人と月見酒とは
男冥利につきるねぇ

だが俺は、やることが残っててな
月見酒はまたの機会にとっておくとするよ」


神威「優秀な部下をもてて俺は幸せ者だヨ」


それは残念だわと言うと
神威と咲夜は船の中へと入っていく


阿伏兎「はぁ〜
あんたも気苦労が増えるねぇ」


高杉「まだまだガキな所もあって
かわいいじゃねぇか」


阿伏兎「そう言ってもらえるとありがたいね」


また子「なんなんスか?!
あの咲夜って女怪しくないっスか?

船もめちゃくちゃだし・・」


高杉はあまり気にしていないようだが
また子は咲夜を疑っているようだった


高杉「もう夜も遅い
船には影響ねぇようだし
修理だなんだは明日にしようや」


高杉の言葉を聞いて船員達も持ち場へと戻る


高杉はちらりと月を見上げた


そういや・・・

こんなでかい月がでてる夜だったな
あのじゃじゃ馬姫が降りてきたのは


クククっと薄く笑うと高杉も船の中へと戻る


誰もいなくなると
また満月は雲に隠れていった








−闇夜が広がる−






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あきゅろす。
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