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No.10


ふと目を覚ます


神威「あり?いつの間にか寝ちゃってた」



隣には変わらず咲夜が眠っている




神威「綺麗な人形みたい・・・

服着せておかないとなぁ」


そう言うと新しいチャイナ服を着せる

そして、優しく額に口づけ


神威「すぐ戻るよ」


神威は部屋から出ていく





咲夜もまた神威と同じく

夢を見ていた



幼き頃の夢・・・




悪夢





夜蝶『咲夜、お前も来い

いつまで逃げ続ける気だ?
咲羅もいるんだぞ』


咲夜『母様を返せ』


夜蝶『・・・ったく
お前どんな育て方したんだ?』


夜蝶は咲羅の顎を掴む


夜蝶『あれは子供の目じゃねぇな

松陽の所にいるかと思っていたが
俺の部下を殺して回ってたらしい

松陽捕まえた意味がねぇよ』


咲羅『お願い夜蝶
あの子に手を出さないで

私はここにいるからお願い


松陽様も・・・助けて


お願い・・・』


咲夜『母様、今助けます』


黒い番傘を構える


咲羅『はっ!咲夜逃げてぇ!!』



合図と共に夜蝶の部下が一斉に
咲夜に襲い掛かる


100人はいるだろうか・・・・


咲夜は次々に倒していく


夜蝶『これは、夜兎の血なのか

それとも・・・』


咲羅『お願い夜蝶
もうやめて
あの子をどうしようというの』


夜蝶『あいつを殺すために必要なんだよ』


咲羅『・・・・夜蝶

無理よ
あの人には勝てない

戦いに咲夜を利用しようとするのはやめて』


夜蝶は咲羅を睨む


夜蝶『誰にもお前を連れていかせはしない』


咲羅の目には涙が溢れていた


咲羅『お願い・・・・
咲夜逃げて・・・・』


咲夜『母様を返せ』


夜蝶『ちっ

さすが俺の子といった所か』



屍の山


咲夜は全身に血を浴びながら
山の上で佇んでいる


夜蝶『いや・・・

鬼の子かあああ』


夜蝶が咲夜に殴りかかる


激しくぶつかり合う音だけが響く


咲羅『咲夜もうやめて!』

咲羅の声はもはや届いてはいなかった


咲夜『殺す・・・お前だけは』


夜蝶『・・・っ!!?』


一瞬だった


夜蝶の顔右半分が切り裂かれる


夜蝶『うっ・・・あぁああ』


咲羅『夜蝶ーーーーーーーー!!』


咲夜『とどめだ』


咲夜は笑っていた


やっと母様を救い出せる

悪夢から解放される

やっと



自由を



咲羅『やめてーーーーーーーーー』



ドサリと人が倒れる音がする



咲夜『なんで・・・・・


・・・・なんで』


夜蝶『咲羅・・・・・

さくっ・・・・・うっ・・・・

ぁああ・・・さく・・・ら』



なんで?

母様なぜそいつを庇ったの?

やっと母様と自由になれるはずだったのに

どうして?



私が殺してしまった


母様



私が殺してしまった



咲羅『・・・・っ』


夜蝶『・・・!!?咲羅!!!!』


咲羅『や・・・蝶』


咲羅は優しく微笑むと

目を閉じた


夜蝶『咲羅・・・・さくっ

さくらああああああああ』



ああ・・・・

母様は私より


その人が大事だったんだ・・・


なんだ・・・・


私がいらなかったんだ


私はいらない・・・・




夜蝶『お前はやっぱり俺らと来い

その化け物の力は野放しにできねぇ』




化け物?



私が化け物だから母様も

私を選ばなかったのかな



消えてしまいたい


消えろ



消えろ




誰か私を殺してよ




でも私は化け物だから



とてもとても強い人じゃないと


私は殺せない


どうしたらいいの?



すべてなかったことにしてよ



誰か・・・・



どうか・・・・



すべて忘れさせて




どうか・・・・



どうか・・・・




咲夜「あああああああああああ」



神威「・・・咲夜!?」





神威は急いで咲夜の眠っていた
部屋へ入る


咲夜「いやっ・・・ああああああああ」


神威「咲夜!落ち着いて

大丈夫だ
大丈夫だよ、俺がいるよ」


錯乱する咲夜を神威は抱きしめる


異変に気付いた医者達が次々に
部屋へと入ってくる


阿伏兎「どうしたんだ団長!」

新八「咲夜さん何かあったんですか?!」


騒ぎを聞きつけた阿伏兎、万事屋トリオも
駆けつけていた


咲夜は医者の措置を受けている


神威「咲夜が目を覚ましたんだけど」


神楽「咲夜目を覚ましたアルか!」


銀時「でもあらぁ、普通の状態じゃねぇな」


神威「今は錯乱状態なんだ」


銀時「悪い夢でも見たのかねぇ」



悪い夢・・・か

そうかもしれないね


咲夜はずっと終わることのない

悪夢を見続けているから


咲夜「・・・・・はぁはぁ」


船医「少し落ち着いてきたようだ
咲夜さん!聞こえますか?」


咲夜「・・・・ここは」


神威「咲夜!!!」


神威は咲夜に抱き付く

それに続いてなだれ込むように
全員部屋へと入る


神楽「咲夜!!心配したアルよ」


銀時「なんだなんだ、元気そうじゃねーの」


新八「よかったぁ〜心配してたんですよ」




咲夜「・・・・・?」



神威「咲夜?」



咲夜「だ・・・れ?」







悪夢が始まる



第4章−魂の絆−へと続く






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あきゅろす。
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