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No.7

神威は感じていた



呼吸を合わせる



咲夜の金色の瞳が神威を捕え




来る!





刹那、咲夜が番傘を振る


風圧で神威の頬に傷がつくと


2人の傘がぶつかった



神威「くっ・・・・」



一撃がとてつもなく重い


一瞬でも気を抜いたら死んじゃうね


だけど


潤う



俺の魂が





神威の青い瞳が強く輝く




激しい攻防の音が響く



朧「・・・・」



隙をついて朧の眠り針が咲夜を襲う


咲夜は傘で薙ぎ払うが、すべては払いきれず

胸元近くの経絡に数本刺さる



ぐらりと一瞬よろめくと


その隙をつき神威は

咲夜の首元を掴み地面に叩きつけた


地面が砕けるほどの衝撃


しかし咲夜の表情は変わらない


神威「綺麗な顔だね

血に濡れた顔が一番綺麗だよ」


ぎりぎりと首を片手で締めていく


咲夜「ふふ、あはは」


咲夜は優しい笑顔を見せると
神威を殴りつける


またも朧は針を撃ち込む


咲夜はそれを避けず、すべて受けながら



朧の頭を地面に叩きつけた



朧「かっ・・・はっ」





新八「咲夜さん!もうやめて下さい!」


新八と神楽が咲夜を止めようと
側へ駆け寄る


銀時「新八!!!神楽!!!!

やめろおおおおお」



一瞬で新八と神楽は咲夜に吹き飛ばされ
土壁へ強く体を打ち付けられる


桂「新八殿!りーだーーーー」



咲夜の攻撃は銀時にも降りかかる


木刀で咲夜の攻撃を受け止めるが

力の差は歴然であった


銀時「んだよ・・これ・・・・

夜王とやりあったときよりしんどいぜ」



一撃ですべてが奪われる感覚


桂「銀時!?

咲夜殿!正気に戻ってくれ」


銀時「ズラああ、新八と神楽を頼む!」


ぎりぎりと重い一撃が銀時を襲う


隙をついて後ろから神威が蹴りかかる


神威「・・・!?」


咲夜は後ろからの攻撃を避けると
そのまま足を鷲掴み
銀時にぶつけるように神威を投げ飛ばす



銀時「げほっ・・・・」


神威「くっ・・・銀チャン大丈夫?」


銀時「そういうお前こそ・・・かはっ」


神威「さすが銀鬼の血をひく同族同士だ」


神威は口元の血を拭いながら言う


銀時「ばか言うんじゃねーよ

俺は地球産だよ

俺が生まれ育ったとこだ

種族なんざ関係ねーよ・・・」



咲夜「・・・・・」



銀鬼「俺はただ背筋伸ばしてここで

生きてくだけよおおお」



咲夜「!?・・・・・」




ドクンッと心臓が反応する



『咲夜』




だれ?



私を呼ぶ女の人の声




『咲夜知ってる?』



なにを?



『なぜ私たちの髪が銀色か』



知らない・・・・




『これはね銀鬼の魂の表れなんだよ』



どういうこと?分からない




『ならそれを探しなさい』



待って!行かないで・・・・







銀時と神威の攻撃をかわしていく


咲夜にさっきまでのキレはない・・・・




銀鬼の魂?分からない・・・



銀鬼とは・・?種族・・とは?



銀時の言葉が木魂する



咲夜が頭をかかえふらりとよろめく


そこへ2人がかりで攻撃を仕掛けるが

そう甘くはない


すぐに吹き飛ばされる


神威「あっはは、強いなぁ」


銀時「ずいぶん余裕じゃないの・・・・

もうお兄さんはぼろぼろだぜ・・・げほっ」


咲夜「・・・・」


苦しい・・・・



もう・・・消してしまおう



すべてすべて




咲夜の瞳が大きく見開かれる


殺られる・・・・


2人がそう思うと同時に



銃弾が咲夜に降り注がれた



「やっと迎えに来たと思えば

なにやってんだかこのスットコドッコーイ」



神威「阿伏兎?!」


きょとんと神威は阿伏兎を見る



「「団長〜迎えに来ましたぜえ」」


ぞろぞろと第7師団員達が神威の壁になるように

咲夜を取り囲み集まる



阿伏兎「団長ひどい有り様だな
一体なにがあったんだ?」


阿伏兎はそう言うと咲夜を見る


神威「ちょっとした痴話ゲンカさ」


阿伏兎「ちょっとって

全身血だらけだろうがよぉ」


神威「怒ると結構激しいタイプなんだ」


そう言うと神威は立ち上がる



咲夜を止めようとする第7師団員達



しかし春雨の雷槍と呼ばれるほどの

戦闘部隊であるにも関わらず

咲夜には手も足もでない


次々に吹き飛ばされていく団員たち・・・



神威「阿伏兎、そこのお兄サン達
手当してやってよ」


銀時「てめっ・・・1人でやる気かよ」


神威「あいつらじゃ咲夜は止められないし

それに咲夜は俺の物だからね

他の奴らに触らせるなんてまっぴらごめんだよ」



銀時「へっ・・男だねぇ」


神威の後姿を見送ると


銀時「すげぇよあんたらの団長は
あんな若けぇのによ

とんでもねぇ女捕まえに行くとさ」


阿伏兎「あぁん?

あのバカ団長に振り回される
こっちの身にもなってみやがれってんだ」




神威「咲夜、そいつらじゃ物足りないだろ?」



咲夜は変わらず口元に笑みを浮かべていたが

ふらついているのが分かる



さっきの奴の針が効いてきたのか・・・

俺もそんなに余裕がないんだよね

次の一撃で


決める



2人の視線がぶつかる




と同時に地を蹴り


瞬時に間合いをつめ


傘を振り上げる




瞬間、爆音爆風と共に
地面にクレーターのような穴があく



阿伏兎「なんつうケンカだよ

吹き飛ばされちまうぜ」



2人は穴を挟んで端と端に降り立った



こんなに血肉沸き踊る戦いを味わえるなんて

やっぱり俺の渇きを癒せるのは咲夜

君だけだよ








咲夜は1度空を見上げるとふらりと倒れる

神威の渾身の一撃と朧の眠り針が今頃になってようやく効いたようだった


神威は咲夜を抱きかかえると

第7師団の船へと戻って行く


夜蝶と朧の姿はもうどこにもなかった・・・







雨はますます強くなっていく





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あきゅろす。
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